2021.07.13

堀琴音「ゴルフをやめたいと思った時もあった」。どん底からツアー初勝利。次なる夢は「姉妹で優勝争い」

  • 柳川悠二●取材・文 text by Yanagawa Yuji
  • photo by Getty Images

 436ヤードという長くて難易度の高い18番パー4で行なわれたプレーオフ3ホール目。残り171ヤードのセカンドショットを堀琴音が放つと、朝から冷静に淡々と、黙して無表情でプレーしてきた彼女から、思わず甲高い声が漏れた。いや、気持ちがこもって自然と声が出たのかもしれない。

「ゴーッ!」

 白いボールはピン方向に真っ直ぐ向かい、手前3mにつく。一方、優勝を争う若林舞衣子はティーショットが少し乱れてパーオンならず。事実上、勝負が決した一打と言えた。

 ニッポンハムレディス(北海道・桂GC)はプロ8年目の25歳、堀が初めてツアー優勝を飾った大会となり、試合後の会見ではこう語った。

「苦しかった思い出が全部、込み上げてきて......頭が真っ白になって、泣いてしまいました。長かった。その分、ずっと忘れられないだろうな。最後まで"気持ちだけは強く"とずっと思っていた。それを貫き通せたことが勝因だと思います」

ニッポンハムレディスでツアー初優勝を遂げた堀琴音ニッポンハムレディスでツアー初優勝を遂げた堀琴音 この記事に関連する写真を見る  最終日は首位の若林とは2打差の単独2位でスタートした。おはようバーディーで好スタートを切り、3番で一時並んだものの、その後に若林もバーディーを重ね、12番を終えた時点で再び2打差をつけられた。

 だが、堀が14番、15番と連続バーディーを決めて、再び若林を捕らえる。そのまま2人は通算14アンダーで並んでフィニッシュした。

「何年か前に優勝争いした時は、ソワソワして緊張していた。今日は緊張より、楽しみが勝った。出だしのバーディーも、ショットがピンに絡んでくれたから。4日間通して、ショットがよかったと思います」