「イップスかもしれない」疑心暗鬼になっていた堀琴音を救った言葉とは?

  • 金明昱●取材・文 text by Kim Myung-Wook
  • photo by Getty Images

堀琴音インタビュー(後編)

2年あまり低迷していた堀琴音だったが、今年に入ってから復調の兆しを見せている。今回は、かつて「若手有望株」と称された彼女の過去を振り返りつつ、多くのファンが期待しているツアー初優勝への思いを聞いた――。

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この記事に関連する写真を見る――ここ数年は本当に苦しい状況にあったと思います。そんななか、やはり森守洋コーチの存在は大きかったですか。

「そうですね。初めて森コーチに会った時、『私って、イップスですかね?』と聞いたら、『こっちゃん(堀琴音の愛称)は絶対にイップスじゃないよ』って言われたんです。

 実はその前から『(堀琴音は)イップスかもしれない』って、直接聞いたわけではないけれど、そういう話が自然と私の耳に入ってきて......。自分でもイップスじゃないと思いつつも、本当は不安だったんです。『本当にそうだったらどうしよう......』『治るのかな......』と考えたりして。

 でも、森コーチは『絶対に違うよ』と断言してくれた。その時、この人の言うことなら耳に入るかもしれないって、思えるようになりました。そんなふうに言い切ってくれた人は初めてだったし、うれしかった。それで、自分自身、スッキリした感覚がありました」

――さて、過去の話も少し聞かせていただけますでしょうか。2014年7月にアマチュアながらステップ・アップ・ツアー(ABCレディース)で優勝。そこから一気に注目を集める存在になりました。

「あの試合はプロテストの直前でした。あの優勝があったから、プロテストに合格できたと思いますし、プロになってもやっていけるという自信にもつながりました。何事も1番になるのって難しいじゃないですか。ステップ・アップ・ツアーとはいえ、プロの試合で初めて1番になれた、というのは大きな自信になりましたね」

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