西村優菜が涙の快挙。ミレニアム世代の「小さな新星」は帯同の母に感謝 (2ページ目)

  • 柳川悠二●取材・文 text by Yanagawa Yuji
  • photo by Getty Images

 首位と3打差でスタートした最終日は"おはようバーディー"で勢いをつけ、前半だけで2つスコアを伸ばした。さらに12番のミドル、13番のショートでバーディーを重ね、気がつけば、最終日を首位で迎えた高橋彩華や、前半でスコアを伸ばしていた大里桃子らを逆転し、2位に2打差をつけて単独首位に立った。

 一日を通じてツアー史上最速という14フィートに設定された高速グリーンを攻略し、トップに立ってからも冷静さを保って逃げ切った。

「アウトを耐えて、インで3つ伸ばすイメージでスタートしました。(優勝争いの)緊張はあったんですけど、マネジメントに集中しなきゃいけない状況だったので、かえって平常心でプレーできました。

 7番の(5mの)バーディーパットはよかった。6番で短いパットを外してしまって、ちょっと流れが悪くなりそうなところを取り返せた(バウンスバックできた)のが、リズムよく回れた要因だと思います」

 西村の身長はツアーでも小柄な部類に入る150cm。ドライビングディスタンスは61位と、「飛距離には限界がある」と話す西村は、昨年末からのオフの間にショートウッドやショートゲームの技術を磨いた。

「今週はチップインが3回あった。グリーン周りからバーディーを狙えるというシーンがすごく多くて、これは昨年からの成長だと感じられます」

 4日間連続で、60台で回ったことも自信になった。初の国内メジャー制覇で、賞金ランキングも目標とする5位以内にあと一歩の6位まで上がった。

「まだまだ試合は続く。トップ10に入る回数を増やして、まずは複数回優勝できるように。その結果、賞金ランキングトップ5、賞金女王に少しでも近づけたら」

 座右の銘は「日々成長」。進化を重ねる"小さな新星"が、また一歩、夢に近づいた。

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