もはや黄金、プラチナの「谷間」ではない。稲見萌寧が堂々ツアー3勝目

  • 柳川悠二●取材・文 text by Yanagawa Yuji
  • photo by Getty Image

 女子ツアー2021年の第2戦、明治安田生命レディス ヨコハマタイヤ(高知県・土佐CC)は、2日目に最大瞬間風速18m/sの強風を記録するなど、文字どおり大荒れの展開となった。

 初日に5アンダーでトップに立った安田祐香は、2日目、3日目とスコアを落として、最終的には通算4オーバーの47位タイに終わった。また、初日に2アンダー、10位タイの好位置でスタートした渋野日向子も、2日目「76」、最終日には「77」と崩れて、通算7オーバーの57位タイに沈んだ。

 大会期間中、4月から長期も視野に入れた米国遠征を公表した渋野は、こんな言葉を残してコースを後にした。

「今日(最終日)のゴルフはマイナス20点。風のある中だと、なかなか自分のゴルフが通用しないということを改めて実感しました。風が吹いた時の縦距離の計算など、これからもっと練習してつかんでいけたらいいなと思います。

(3月に出場する国内ツアーの)残り2戦は、まずは予選落ちしないことを心がける。3日間を通して初めて、いろいろと見えてくるものがあるので」

「黄金世代」や「プラチナ世代」の有力選手がスコアを崩すなか、大会をリードしたのはそれら世代の間、1999年度生まれの"谷間の世代"と言われる稲見萌寧だった。2日目に6つスコアを伸ばし、2位に3打差をつけて最終日を迎えた。

 しかし彼女もまた、最終日にスコアを崩していく。前半は7番(パー5)でバーディーを奪ったものの、3つのボギーを叩いて、通算8アンダーと後退。さらに後半の10番(パー5)では、ティーショットのボールが崖下にある15番ホールに落ちてしまう。

「緊張はしなかったですし、調子も悪くなかったんですけど、風のジャッジがすべて逆にハマって、すべてが悪い方に向かってしまった。その流れを、止められなかったですね。

 でも(ティーショットで大きなミスをした)10番をボギーで終われたことで、『まだチャンスはある』と思えた。もしダボとか、トリだったらくじけていたかもですが、『まだがんばれる』と言い聞かせたことで、耐えられたかな」

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