【木村和久連載】歳を取っても衰えぬ、ゴルフに対する闘志と向上心 (4ページ目)

  • 木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa
  • 服部元信●イラスト illustration by Hattori Motonobu

 メンバーだった鶴舞カントリー倶楽部で大きな試合に勝って、我が世の春を迎えましたが、その後は燃え尽き症候群になったんですかね。競技に出ても、90台ばかりでした。それから、ダラダラと平均スコアが下がり、最悪の時は100叩きもしました。

 そんな状況を迎えて「これ以上、下手になったらヤバい」という危機感を抱き、とにかく「現状維持でいいから、これより落ちないようにしよう」となりました。

 けど、人間って次第に歳を取っていくと、現状維持がいかに大変、かつ大事なことか、身に染みてわかってきます。体重もそうだし、毛髪も、下半身の衰えも、仕事量も、ですね。

 ゴルフは必ず誰かとラウンドするので、みっともないプレーはできない。相手に失礼だし、自分でも不甲斐ない。それが「現状維持をしよう」と決めたきっかけです。

 カッコよく言えば、美学みたいなものでしょうか。パスタを食べる時はフォークを使う。納豆を食べる時は必ずネギを入れる、とかね。

 ゴルフをする時は、同伴プレーヤーに対して、失礼のないようにする。手を抜かず、100は叩かないように、と。

 今後も、平均スコア90台のゴルフを維持したいです。毎回100以上を叩いたら、引退するかもしれません。だって、そんなゴルフは自分的には耐えられないんじゃないかと。

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原作:木村和久 作画:玉城晃/ヒロカネプロダクション 監修:弘兼憲史
出版社:双葉社 定価:630円(税別) 週刊パーゴルフ連載中
◆収録作品
(1)夢で会いましょう
ひょんなことから、「ひとり予約」のサイトを使って、某ゴルフ場でのラウンドエントリーをした藤原隆一。おばあさんとの組み合わせでプレーする予定だったのに、コースに行くと、そこには美人親子が待っていた。さあ、その後の展開はどうなるのか?
(2)ラストショット
元の会社の上司が人生最後のゴルフコンペをすることに……。そこに集う、さまざまな人たちの人間模様を浮き彫りにしながら、元上司はどんなラストショットを打つのか。そして、そのショットに込められた意味を解いていく。

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木村和久(きむら・かずひさ)
1959年6月19日生まれ。宮城県出身。株式をはじめ、恋愛や遊びなど、トレンドを読み解くコラムニストとして活躍。ゴルフ歴も長く、『週刊パーゴルフ』『月刊ゴルフダイジェスト』などの専門誌で連載を持つ。

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