【木村和久連載】センスある若者に、
オヤジのゴルフは対抗できるのか (2ページ目)
要するに、理屈でゴルフを覚えたのではなく、感覚でゴルフを覚えてきたというのです。だから、レッスンの取材などで「ドローボールをどうやって打つの?」と聞いても、彼女たちは「こんな感じに構えて、こんな感じで打つ」という表現になってしまいがちなんだとか。
「グリップはストロングで、スクエアに構えて、テークバックはコックを使わずに......」といった、ゴルフ雑誌的な表現は出てこないそうです。
もちろん、解説者ではないのですから、自分の動きを言語化できなくても、なんら問題ないんですけどね。実際、彼女たちはちゃんとしたテクニックを持っていますから。
翻(ひるがえ)って、我々オジさんは、教わったことを一度マニュアル言語に翻訳して、頭にインプットします。
たとえば、バンカーショットは「オープンスタンスにして、フェースを開いて打つ」ということを、呪文のように唱えます。それから、自分なりに調整してモノにしていきます。
どのぐらいのオープンスタンスがいいのか。フェースの開き方はどの程度か。靴をどれぐらい砂に埋めればいいか。加えて、その時のグリップの長さはどうか、とかね。
そうして、再びコースに来て、すっかり忘れていた呪文をまた繰り返し唱える......って、ほんと覚えが悪いですなぁ~。
ところが、若くて勘がいい子は、何回か打っているうちに、本能的にベストな打ち方を習得してしまうのです。センスがあるってことです。
センスのあるなしは、非常に大事なことですが、もともとセンスがない人は、今さら「センスを磨け!」と言われても、どうしようもないですよね。カラオケで言うと、音痴はなかなか治らない、ということですから。
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