臼井麗香、宝塚スターからゴルファーへ
夢変更「負けず嫌いに火がついて」 (3ページ目)
――もしプロテストに合格していなかったら、どうなっていたんでしょうね。
「勉強をし直して、違う大学へ進学していたと思います。その後、アメリカでもう一度ダンスを習おうと。それで帰国したら、今度はダンスを教える側に立ちたいなと思っていました。ゴルフにはもう『絶対関わらない』と決めていました」
――翌年のプロテストは見事に合格。そのストイックさの根底にあるものは何でしょうか。臼井選手を突き動かしているものは何なんでしょう。
「何なんですかねえ!? 物心ついた時から『ムダなことは一切しない』っていう考えでやってきているので。もちろん、プロになれたから満足ということではまったくなくて、これから達成しなければいけないことがいっぱいあります。
実は私、プロになった時に『28歳で引退する』って決めたんですね。それで、ノートには引退までの目標も全部書いてあって。何歳でこれを達成して、何歳でこれって。何歳で賞金ランキング何位、何歳でいくら稼ぐ、そのスタッツまで全部決めているんです。賞金女王は何歳で取る、その時の金額まで決めています。ノートのとおりに現実が進むのか、今から楽しみです」
――ということは、今はゴルフ以外のことには興味がない、と。
「ないですね。28歳までは、極力ゴルフに時間を割きたいので、趣味もいらないです。時間がもったいないので。だったら寝る時間を少しでも確保したいくらいで。だって、今でも時間が足りてないくらいなんですよ。トレーニングメニューを考えて『あれもやりたい』『これもやりたい』とスケジュールを組むと、一日24時間じゃ足りなくて。もちろん、夏だったら海に行ったり、ちょいちょい遊んだりはしますけど、その時は練習時間ではなくて、睡眠時間を削ります」
――28歳で引退というのは、少し早いようにも思いますが。
「そんなことないですよ。今は年下の子たちもどんどん出てきていますし。だから、私は長いスパンで活躍できるようなゴルフを目指していないんです。スイングも、これを30歳を超えてもやっていたら、必ずどこかが故障するっていうスイングをしているんで。28歳までに完全燃焼します」
――引退後の人生設計はすでに考えておられるのでしょうか。
「何か仕事をするのでしょうが、どんな仕事をすることになっても、そこで一番になりたいです。結婚も、できれば30歳手前でしたいですね。玉木宏さんのような人がタイプですが、私の仕事を応援してくれる人が理想です(笑)」
――お話をうかがって、今季目標となる1勝もそう遠くない日に実現できそうな印象があります。
「ありがとうございます。がんばります! ただ優勝争いになると、真っ直ぐ打てても、飛びすぎちゃうんですよね。アドレナリンがすっごい出ちゃって。アドレナリンってどう抑えたらいいの?っていうのが、今の悩みです(笑)」
(おわり)
臼井麗香(うすい・れいか)
1998年12月7日生まれ。栃木県出身。
身長158cm。血液型O。
女子ゴルフ界を席巻する「黄金世代」のひとり。
2019年シーズン出場27試合。
賞金ランキング59位(獲得賞金1978万499円)。
2020年シーズン出場資格=QTランキング37位。
日本ウェルネススポーツ大学在学中。
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