有村智恵が持つ「危機感」。自らの戦いとゴルフ界の発展のために...

  • 金明昱●取材・文 text by Kim Myung-Wook
  • photo by Getty Images

「正直、まだまだ物足りないですね。(自らのゴルフに)納得していない」

 そう語るのは、ツアー通算14勝を誇る有村智恵(32歳)だ――。

自らのため、ゴルフ界の発展のために奮闘を誓う有村智恵自らのため、ゴルフ界の発展のために奮闘を誓う有村智恵 新型コロナウイルスの感染拡大の影響によって、国内女子ツアーは開幕からトーナメントの中止が続いている。そうした状況にありながら、多くの選手がツアー再開に向けて、今では自宅などの限られた条件のなかで、日々練習やトレーニングに励んでいる。

 それは、有村も同様だ。先行きが見えないなかでも、黙々とトレーニングを重ねていることだろう。3月の初めに、そんな彼女に話を聞く機会があった。改めて今季の目標について訊ねると、こう答えた。

「やっぱり『もっと優勝したい』という気持ちもありますし、(もう一度)いいプレッシャーのなかで戦いたいな、というか......。昨季はずっと、予選を通過するか、しないか、といったプレッシャーのなかで戦っていたので。かつて自分が経験してきた優勝争いや賞金女王争いといった、そういう重圧のなかで戦える選手になりたいな、という気持ちはあります」

 昨シーズンは優勝こそなかったものの、大東建託・いい部屋ネットレディスでは2位タイに入るなど、何度か上位争いを演じている。賞金ランキングも37位となってシード権を獲得したが、1シーズンに複数の優勝を重ね、賞金女王争いにも加わっていた頃の自分と重ね合わせると、不甲斐なさを感じてしまうのだろう。

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