2019.09.03

渋野日向子は、周囲が騒がしくても、
体調が悪くても、なぜ強いのか

  • text by Sportiva
  • photo by Getty Images

 日本女子ツアーのニトリレディス(8月29日~9月1日/北海道)は、ツアー屈指の実力者たちが熾烈な優勝争いを展開。最終的には、一昨年の賞金女王である鈴木愛(25歳)が通算11アンダーで優勝し、今季4勝目を飾った。

「この1カ月は、まったく自信がなかった」という鈴木だが、2日目を終えてトップタイに躍り出ると、3日目、最終日も安定したプレーを披露。最終的にアンダーパーが18人という難コースにありながら、唯一のふた桁アンダーをマークして、あらためて実力の高さを示した。

 そんな鈴木の強さが際立った大会ではあったが、大会を通して話題の中心にいたのは、やはり全英女子オープンの覇者、渋野日向子(21歳)だった。

 体調が悪いなかでも、きっちり優勝争いに加わって、通算7アンダー、単独5位でフィニッシュ。さらに、国内ツアーにおける連続イーブンパー以上(連続オーバーパーなし)のラウンド記録を「28」まで伸ばして、アン・ソンジュ(32歳/韓国)の最多記録に並んだ。

ニトリレディスでも優勝争いを演じた渋野日向子 今回もまた、多くのファンやメディアの期待に十二分に応えた渋野。その奮闘ぶりには頭が下がる。「お見事」という言葉しか出てこない。

 全英女子オープンから帰国後、彼女を取り巻く環境は一変した。そうした状況にありながら、当初の予定どおりにハードスケジュールを消化。北海道meijiカップで13位タイと健闘し、続くNEC軽井沢72トーナメントでは優勝争いまで演じて3位タイの成績を収めた。そして、プレー中はいつもと変わらぬ「シブコ・スマイル」でギャラリーを魅了した。

 だがその間、まさしく疲労困憊だったはずだ。ゆえにその後、1週間のオフウィークを過ごしたとはいえ、肉体的にも、精神的にも、完全にリフレッシュできたとは言い難い。しかも、”渋野フィーバー”が一段と増しているなかで、渋野が本当に気持ちを休めることができた時間は、どれほどあったのだろうか。

 それを思えば、ニトリレディスを前にして発熱したことも頷ける。練習ラウンドをキャンセルし、病院で診察を受けると、急性副鼻腔炎と診断された。