【木村和久連載】タイガー効果は?ツアープロとゴルフ雑誌の関係性
専門誌では読めない雑学コラム
木村和久の「お気楽ゴルフ」連載●第176回
タイガー・ウッズが見事に復活。PGAツアー通算80勝、おめでとうございます。
現在、42歳でしょ。それでいて、飛距離は衰えていないし、小技も冴え渡っていて、しかもピンチを迎えてもまったく動じない。人間的にすごく成長したタイガーを、この前の試合では見させてもらいました。
素晴らしい勝利を飾ったツアー選手権。3日目には、圧巻の"タイガー・チャージ"を披露してくれました。5つスコアを伸ばして、2位に3打差をつけて最終日へ。
そして、その最終日では我慢のゴルフを展開。ひとつスコアを落としながらも、後続に2打差をつけて優勝。昔とは違った流れの最終日でしたが、まあ、それだけ成長したのだと思います。
結果、日本のゴルフ界でもタイガー人気が再燃し、"タイガー・ブーム"が再び巻き起こりそうな雰囲気になってきました。
迎え撃つ日本のスター選手は、松山英樹選手ひとり。これは、あまりに心許ないありさまです。
そんな状況を鑑(かんが)みて、ツアープロがゴルフ雑誌でどう扱われるのか、ちょっと考察してみたいと思います。
まずは、日本のゴルフ出版界で、一番売り上げた刊行物はどんなものか、ご存知でしょうか?
夏坂健先生のエッセイじゃないですよ。美人ゴルファーのローラ・ボーの写真集とカレンダーの類いとされています。
日本の出版社の多くが、硬派な雑誌より、柔らかい漫画雑誌で食べています。ゴルフも同様、エンターテイナー的なスーパースターがいれば、ゴルフ雑誌は潤うのです。
ただここ10年、日本のゴルフ雑誌界に登場する選手は、やや小粒になりました。昔は『AON(青木功、尾崎将司、中嶋常幸』に代表される、個性的で、かつ強いスタープレーヤーがたくさんいました。そして、彼らがピークを過ぎて、さほど勝てなくなってきた頃、彗星のごとく現れたのが、石川遼選手でした。
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