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親子でツアー制覇は10組。
偉大な父を持つ息子はどれだけ大変か (2ページ目)

  • text by Reiko Takekawa/PGA TOUR JAPAN
  • photo by PGA TOUR

 親子によるツアー制覇が「10組」という数字が多いのか、少ないのかは別として、ゴルフ界では「偉大な父を持つ息子は、大成するのが難しい」と言われている。

 それは、有名なゴルファーの息子は子どもの頃から注目され、過度な期待を受けるからだ。とすれば、そんな状況にある息子がツアー優勝を挙げることができたなら、それだけでも大成功と言えるだろう。

 無論、親と同様に活躍できた者もいれば、大成できなかった"息子"も数多くいる。

 メジャー18勝を含め、ツアー通算73勝のジャック・ニクラウスを父に持つ、ゲーリー・ニクラウス(アメリカ)もそのひとりだ。

 ジュニア時代から頭角を現し、15歳で父を負かしたという伝説を持つゲーリーは、まさに将来を嘱望されていた。"帝王"の息子ゆえ当然のことかもしれないが、まだアマチュアだった16歳のときに、米人気スポーツ雑誌の表紙を飾ったほどだ。

 オハイオ州立大に在学していたときは、オールアメリカンで活躍したゲーリー。大学を卒業後、プロに転向したが、その後は苦難の道が待っていた。

 プロ転向以降、8年間もPGAツアーのシード権が取れず、下部ツアーなどでのプレーを余儀なくされた。その際、シード獲得を目指すゲーリーに付いて回って、両親が心配そうに見つめている姿を何度も目にしたことがある。

 予選会を通過して、ようやくツアーの出場権を手にしたのは2000年。それから3年間、PGAツアーでプレーしたが、ツアー勝利を果たすことはできなかった。

 ゲーリーは結局、ツアープロとしての道を断念。2004年からは、父ニクラウスとともにコース設計などのビジネスの道へと転じている。

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