2018.04.09

エンジン出力50%だった松山英樹。
帝王ニクラウスのように悔しがる

  • 三田村昌鳳●取材・文 text by Mitamura Shoho
  • photo by Getty Images

 松山英樹は、2018年のメジャー第1戦、マスターズを19位で終えた。初日から、「73」「71」「72」「69」のトータル「285」、通算3アンダーという結果だった。

最終日にはスコアを伸ばした松山英樹だったが...「すべてに課題が残った」と松山は唇をかみ締めた。そして、「(マスターズの最終日に)最終組がまだ9番を回っている時点で、こういうインタビューを受けているようじゃあ、到底納得はできないです」と、悔しさを露(あら)わにした。

 どこかで聞いたようなコメントだった。それはかつて、帝王ジャック・ニクラウスが漏らした言葉と同じ意味合いだった。

「マスターズに参加するということは、最終日の遅い午後にスタートして優勝争いをすることなんだ。私がホールアウトするときに、最終組がまだ9番ホールをプレーしている状態では、意味がない」

 マスターズの最終日最終組のスタート時間は、午後3時前後と決まっている。それは、太陽が西に傾き、オーガスタの森の木々が生み出す美しい影がフェアウェーに長く映し出される瞬間が、ちょうど最終組がゲームの佳境となる”アーメンコーナー”を迎えた頃に訪れるからだ。そして、以降、その光と影の中を、優勝争いをする選手たちが通り過ぎていく、という時間を演出するためである。

 松山も、そのことはよく知っている。つまり、冒頭の言葉は「自分は勝つために、優勝争いの渦の中で戦うためにここにやってくるのだ」という意思表示に他ならない。