【木村和久連載】終活ブームの今、
「人生最後のゴルフ」を考える (2ページ目)
それでも、ゴルフ界が致命傷を負っていないのは、団塊の世代の層がリタイヤ後もゴルフに勤(いそ)しんでいるからです。
そもそも「ゴルフ業界の崩壊」が騒がれたのは、2020年前後に団塊の世代が一斉にゴルフをやめるから、という予測があってのこと。ところがどっこい、その最初のピークと見られていた2015年を過ぎても、さして状況は変わりませんでした。そして次は、2020年頃に"東京五輪ロス"が起こり、いよいよゴルフ界に危機が訪れると言われています。が、はたしてどうでしょうか?
先日、福島の名門・白河高原カントリークラブにお邪魔しました。ここは宿泊ロッジが完備してあり、非常に居心地がいいところです。私がうかがった当日も、団体のシニア層や老夫婦の方々がたくさん泊まりに来ていて、温泉につかったあと、ラウンジではプチ宴会が開かれて大いに盛り上がっておりました。
みなさん、年齢的には70歳ぐらいでしょうか。もろ団塊の世代かと思われます。白河高原CCの関係者に聞くと、古い名門コースということもあって「昔からの常連のお客さまが多く、首都圏から泊まりで来られるケースがほとんどです」とのことでした。
要するに、団塊の世代は年金"勝ち組"なんですよね。すでに年金の支給が開始されていますから、多くの方々は毎月20万円以上、もらえています。現役時代にサラリーマンであれば他に退職金もあるわけですし、しかも家のローンは払い済み。だから、意外と余力があるのです。
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