【木村和久連載】ゴルフ場を丸ごと1億円で買うと、どうなっちゃうのか (2ページ目)

  • 木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa
  • 服部元信●イラスト illustration by Hattori Motonobu

 結局、大きなグループ企業が運営するゴルフ場のレストランだと、ひとまず最低ラインの味の基準を作ります。ですから、「まずい」と言われることはほとんどありません。逆に「美味しくなった」と言われることのほうが多いくらいです。

 また、グループ化することで、集客面での効果も大きいと思います。何よりグループ企業のホームページを通して、幅広い宣伝が可能になりますから。友の会やWEB会員、そして系列コースの割引などの制度も、グループ内に多くのコースがあることで、お客さんにおトク感を与えることができます。格安の料金プランなども、グループだからこそできるメリットがあるのではないでしょうか。

 要するに、グループであれば、こまごました資材や食材が団体一括購入で安くなり、集客面においても大規模に展開できて効果的ではないか、と言いたいのです。

 じゃあ、他の独立系コースもグループ化すればいいじゃないか?

 早い話、そうなんですが、それは簡単にいく話じゃないんです。グループ化された日本のゴルフ場の多くは、経営権を譲渡してグループの傘下に入るわけで、コンビニエンスストアのフランチャイズみたいに、暖簾は大手だけど、経営は元の会社(個人商店など)がやっている、といった例は非常に少ないのです。

 そこで、浮上したのは「星野リゾート方式」というやつです。経営不振に陥ったリゾート施設や旅館などを再生する運営会社として有名な星野リゾートですが、その多くの施設は星野リゾートが運営のみを行なって、もとの不動産や経営権については、昔ながらのオーナーが持っているという形式が多いそうです。

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