全米プロ、松山英樹がメジャー優勝に最も近づいた4日間を振り返る

  • text by Sportiva
  • 武川玲子●協力 cooperation by Takekawa Reiko

 しゃがみ込んだ松山英樹(25歳)の涙が止まらなかった。悔しさなのか、自らへの怒りなのか、不甲斐なさなのか......松山の本心はわからないが、微かに震える彼の背中から伝わってくるものは、見ている誰もが感じ取ったのはないだろうか。

 今季メジャー最終戦となる全米プロ選手権(8月10日~13日/ノースカロライナ州)、日本人初のメジャー制覇が期待された松山は、その期待どおりのプレーを見せた。2日目にトップに並んで優勝争いに加わると、最終日のバックナインを単独トップで迎えて、日本中のファンの心を躍らせた。

 しかし、メジャー大会の、それもバックナインという、しびれるような展開の中でミスが続出した。粘りを見せて、あっさり失速することはなかったものの、最終的には通算5アンダー、5位タイでフィニッシュ。松山自身はもちろん、日本のファンが待望していたメジャー勝利はまたも叶わなかった。

惜しくもメジャー優勝を逃した松山英樹。Getty Images惜しくもメジャー優勝を逃した松山英樹。Getty Images「11番ティーショットでいいショットを打てたので、(調子が)戻ってくるかな、もっといいプレーができるかなと思ったんですけど、(グリーン右に外した)セカンドショットが痛かった。難しくない状況からミスしてしまったのが......、う~ん......きつかった。流れが悪くなる原因を(自ら)作ってしまった。

(最終日は)なんか、日本ツアーで、アマチュアでやっていたときのような緊張がありました。それでも、昨日より今日のほうがまだ落ち着いているな、と思ったし、今日のほうがいいプレーができそうな雰囲気があった。それなのに......、なかなかね......。波に乗れなかったですね」

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