松山英樹のゴルフのすべてを狂わせた、ひとつの歯車のわずかなズレ (3ページ目)
ところが、その後もチャンスにつけながら、カップをほんの少しだけ外れていく。
「これだけ入らなかったら、意味がないです」
そう、松山は言葉を吐き捨てた。
確かに、そのとおりだ。よく「スイッチが入る」と言うけれど、今回の松山のゴルフは、スイッチを入れるタイミングやチャンスを妨げられてしまう流れしかめぐってこないのだ。
それこそ、たったひとつの歯車の狂いだと思う。パッティングだ。
ほんの1ライン、いや、手のひらと指先にある脳(感覚)がわずかに噛み合わない。タラレバを言えば、数え切れないほどの惜しいパッティングばかりだった。
その、わずかな歯車の狂いが、最後の18番ホールで顕著に露見した。まるでノックアウトパンチを食らったようだった。
なんと、4パットのダブルボギーだ。
「最後で、(すべてを)かき消されましたね」と、松山は言った。
残り1日、18ホール。松山はどんなゴルフを見せてくれるのだろうか。
どこかで、この歯車を修正していかなければ、今後に尾を引いてしまいかねない。その歯止めのためにも、重要な最終日になると思う。
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