マスターズへの情念が強すぎた松山英樹。内なる魔物を制御できるか

  • 三田村昌鳳●取材・文 text by Mitamura Shoho
  • photo by AP/AFLO

 最終日にようやく60台のスコアをマークした松山英樹(25歳)。初日から「76」、「70」、「74」、そして「67」と4日間通算1アンダー、11位タイの成績で今年のマスターズを終えた。

 7バーディー、2ボギーの最終日。もちろんタラレバになるけれど、もっとスコアを縮められるチャンスはいくつもあった。いや、最終日ばかりではない。

 初日から松山を悩ませたのは、パッティングである。

6度目のマスターズ、松山英樹はパッティングに泣いた6度目のマスターズ、松山英樹はパッティングに泣いた それに関して、松山はこう語った。

「応急処置ができるレベルではない(ほど悪かった)ってことですね。もう一度、応急処置的ではなく、しっかりとしたものをつくりたい」

 そして、なぜかグリーンのタッチを「合わせられなかった」と言った。

 松山にしては、珍しいことだと思う。普通ならば、初日から試合が徐々に進むにつれて、タッチを合わせられるようになっていく。いや、松山クラスの選手ならば、本能的に合っていくものだ。

 ところが今回、松山には珍しく3パットの場面が目立ち、わずかな差でカップに嫌われる場面が最後まで目についた。松山は言う

「初日と最終日で(会場の)雰囲気も、グリーンの状態もぜんぜん違いますし、まあ、それがオーガスタだと思うので、それに対応できるように(これからも)がんばります」

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