松山英樹のゴルフのすべてを狂わせた、ひとつの歯車のわずかなズレ

  • 三田村昌鳳●取材・文 text by Mitamura Shoho
  • photo by Getty Images

 何かの歯車のひとつが噛み合わない。その、ほんのわずかな誤差が、松山英樹のゴルフのすべてを狂わせている──。

3日目も、なかなかパットが決まらなかった松山英樹3日目も、なかなかパットが決まらなかった松山英樹 マスターズ2日目を終えて、通算2オーバー。いよいよムービングサタデーの3日目、上位に食い込むチャンスはいくらでもあるし、今の松山の実力ならば、それは決して夢ではない。確固たる裏付けとともに、実績として残してきているからだ。

 でも、何かが違った。いつもの松山と、違った。

 オーガスタの攻略とゲームマネジメントは、すでに熟知しているはずなのに、思わぬところでボギー、さらにはダブルボギーを叩いてしまうのだ。

「状態がやっぱり......、なかなか上がってこないのが、そのまま(結果に)出てしまった」と松山。ひと言で突き詰めてしまえば、まさにそのとおりなのだ。

 3日目。2番、パー5でボギー。ありえないスタートである。

 本来ならば、ここでイーグルとまで欲張らなくとも、バーディーはとれる。ここでひとつ沈めておくと、波に乗れるはずなのに、いきなりボギーである。このボギーが、6番、7番ホールの連続ボギーを誘発してしまった。

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