「早く試合がしたい」。地獄を見た
エリート比嘉真美子が、完全復活へ (2ページ目)
とにかくドライバーが真っ直ぐ飛ばなくなった。それこそ"イップス"と言っても過言ではない状態にまで陥って、17試合連続予選落ちを喫するなど、苦しくて長いトンネルを抜け出せなくなってしまう。
結果、賞金ランキングは95位まで急降下。ついにシード権を失ってしまった。
その後、ファイナルQT(※)で18位に入って、何とか翌2016年シーズンの参戦切符を手にしたが、決して復調の兆しが見えていたわけではなかった。ショットが"暴れる"状態は長らく続いて、シード復活なるかどうか、まったくわからない状況。新シーズンに向けて不安を抱えたままだった。
※クォリファイングトーナメント。ファースト、セカンド、サード、ファイナルという順に行なわれる、ツアーの出場資格を得るためのトーナメント。ファイナルQTで40位前後の成績を収めれば、翌年ツアーの大半は出場できる。
それでも、比嘉は常に前を向いていた。
「悪い状態だからといっても、ビビらず、自分のプレーをやり抜いてきた。自分から逃げないでやってこられてよかったです」
その言葉どおり、2016年シーズン、比嘉は完全復活への大きな一歩を刻んだ。前半戦は予選落ちを繰り返したが、後半戦に入って徐々にリズムをつかみ、残り8試合でトップ10入り5回という快進撃を見せる。最終的に賞金ランキング34位まで浮上し、2年ぶりにシード復帰を果たした。
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