「早く試合がしたい」。地獄を見た
エリート比嘉真美子が、完全復活へ (3ページ目)
特に、自身の最終戦となる大王製紙エリエールレディスでの戦いぶりは圧巻だった。初日から安定したゴルフを見せて、決勝ラウンドに進むとアグレッシブなプレーで驚異の追い上げを披露。最終日には、2日目から首位を快走していたテレサ・ルーとの一騎打ちに持ち込んで、あと一歩で逆転優勝というところまで迫った。その姿は、まさに年間2勝を飾った2013年シーズンを彷彿とさせるものだった。
ラウンド後、惜しくも2位に終わったが、比嘉の表情はとても晴れ晴れとしていた。
「(優勝したテレサ・ルーとは)結果的に1打及びませんでしたが、自分なりにいいプレーはできたと思います。勝てなかったけれども、最後にいい終わり方ができたので、オフはすごくいい気持ちで過ごせると思います」
昨季、土壇場でシード復帰を決めた比嘉。気丈に振舞っていたものの、長い間、不安と戦っていた。それがどれほど苦しい時間だったかは計り知れないが、彼女は見事、どん底から脱することができた。それだけの強い意志、信念が彼女に備わっていたからだろう。
比嘉はアマチュア時代から努力を重ね、"エリート"として常に注目を浴びる中で、必ず結果を出してきた。そうして、国内外でさまざまな経験を重ねることによって、高いポテンシャルや強いメンタルが培われてきた。それが、今回も生かされたはずだ。
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