苦労人ジミー・ウォーカーに
全米プロを勝たせた「デキる妻」 (4ページ目)
ウォーカーの優勝で印象に残っているものがある。
2015年の年明け、前年ツアーの勝者だけが出場できるヒュンダイ・トーナメント・オブ・チャンピオンズ(ハワイ州)において、松山英樹(24歳)も絡んでいた熾烈な優勝争いは、最終的にパトリック・リード(25歳/アメリカ)とウォーカーがトップで並んでプレーオフに突入。そのひとホール目、リードがバーディーを奪って勝利を挙げた。そしてその翌週、惜しくも敗れたウォーカーがソニーオープンで後続に9打差をつける圧倒的な強さを披露。見事大会連覇を達成したのだ。
「あの粘りこそ、ジミーの強さだよ」
そう称えたのは、ウォーカーのスイングコーチを務めるブッチ・ハーモン。かつてはタイガー・ウッズ(40歳/アメリカ)、フィル・ミケルソン(46歳/アメリカ)、今でもリッキー・ファウラー(27歳/アメリカ)やダスティン・ジョンソン(32歳/アメリカ)らを教える名コーチだ。
ウォーカーがハーモンと最初に連絡を取ったのは、2013年4月。ツアー初優勝の前だった。ウォーカーがハーモンに、「練習場でスイングを見てほしい」とメッセージを送ったという。
「でも(ハーモンから)返事が来るのに3週間もかかったよ(笑)」と、当時を振り返ってウォーカーが笑う。傍らにいたハーモンは、苦笑いを浮かべてこう語った。
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