松山英樹、全米オープンでも勝てる「器」を証明した池ポチャ (3ページ目)
「(16番は)どうしてもバーディーが欲しいところ。ティーショットは(グリーンの)右からピンに寄せていくイメージだったけど、思ったよりも風(の影響)を受けてしまった。その辺をまだ読めない自分の判断力の甘さと、少しミスショットだったことが重なって、(グリーン左の)池に落ちたと思う。さらに、17番のセカンド(グリーンオーバー)も痛かった。風(の影響)もあるけど、自分の距離感が信頼できていない。ここでも、マスターズでも、メジャーでも、勝つためにはちゃんとした、自分が信じられるモノを持っていないとダメ。それが足りなかった。昨年に比べて、自らの成長を感じられる部分もありますが、それよりも、試合には勝ちに来ているので、勝てなかった、という口惜しさのほうが強い」
松山自身、目標としていた連覇達成が叶わず、悔しさを露わにした。しかし、ディフェンディングチャンピオンという立場で、ただでさえプレッシャーがかかる中、周囲の期待を裏切ることなく、最後まで優勝争いに加わっていたことは立派。その“流れ”のよさからすれば、次なる戦い、今季メジャー第2弾の全米オープン(6月18日~21日/ワシントン州)に向けて、期待が膨らむ。その点について、ゴルフジャーナリストの三田村昌鳳氏は、次のように語った。
「今年の全米オープンの舞台となるチェンバースベイGCは、イギリスのリンクスコースと一緒。シーサイドにある非常に厄介なコースで、とんでもなく難しい。視察した選手たちから、『あんなところでプレイしたくない』という声が出るほど。ポイントは、どれだけ風を読めるか。松山は、そういうリンクスコースでの経験が少ないから、その辺に対応できるかどうかが、(上位進出への)カギになる。
もちろん、松山の調子自体は悪くない。すべての面において、うまくいっている。今回のメモリアル・トーナメントでも、前回覇者として相当なプレッシャーを抱えながらも、それを乗り越えてしまった。そんな日本人選手は、これまでいなかった。それだけでも、本当にすごいことだと思う。(最終日の)16番の池ポチャにしても、あくまでも優勝を狙って、勝ちにいっての結果。それができる選手だからこそ、松山は“ウイナーズサークル(常に優勝争いに加わることができる選手の集まり)”の中にいられる。あそこで、安全圏のショットを打って、逃げているような選手では、メジャーでは勝てないし、そもそも米ツアーで通用しない。たとえそれで、ひとつ、ふたつ順位を上げたとしても、逆に(優勝できなかったことを)悔やんで、次の試合まで尾を引くことになる。
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