全米OPに挑む松山英樹。世界が本気で警戒するV候補 (2ページ目)

  • テレビ朝日 全米オープン取材班●構成 text by tv asahi US open crew
  • photo by Getty Images

 今年のマスターズチャンピオンであるバッバ・ワトソン(35歳/アメリカ)も、松山の存在を気にかけて、優勝候補のひとりに挙げた。

「ティーグラウンドに立てば、どこの国の選手とかは関係ない。松山はとても若いし、これから長い間、この場(米ツアー)で活躍していくだろう。こういう(メジャー)大会でも同じように奮闘するだろうし、優勝するチャンスもある。実際、(メモリアルトーナメントで)それを証明して見せたからね。高いレベルで戦える、いい選手だ」

 選手たちに限らず、大会を主催するUSGA(全米ゴルフ協会)メディア部長のピート・コワルスキー氏も、松山に大きな期待を寄せている。

「松山は、今最もホットなゴルファーだし、多くの人が優勝候補として見ているだろう。メモリアルトーナメントのタフなコース(ミュアフィールドビレッジGC/オハイオ州)でいいプレイをし、最終日最終ホールの18番で素晴らしいバーディーを決めてプレーオフに持ち込んだ。そして、見事優勝を勝ちとった。彼は(今大会でも)間違いなく"危険な存在"だ」

 選手、関係者からも熱い視線を注がれている当の松山は、現地6月7日にコース入り。同日、初めての練習ラウンドをこなした。

 途中ティーグラウンドで、「このコース、長い!」と嘆いたり、フェアウェー横の荒れ地から打ったショットが木に当たると「もう、いやだぁ!」とうめいたり、難コースに頭を抱えるシーンが目立った。それでも、コース内に建立されたペイン・スチュアート(※)の銅像の前では記念撮影をするなど、全米オープンも2度目の出場で、リラックスした様子も見てとれた。

※今年と同じパインハースト№2で開催された1999年大会の覇者。しかし同大会から4カ月後、飛行機事故により、42歳の若さで他界した。その冥福を祈って、ペイン・スチュアートが1999年大会で優勝を決めた瞬間のガッツポーズの銅像がコース内に建立されている。

 ペイン・スチュアートの優勝は、当時7歳の松山の記憶にも「鮮明に残っている」という。それを受けて我々が、今大会の最後に「ペイン・スチュアートのようなガッツポーズが見たいですね」と問うと、松山は「勝ったときには、それが(ガッツポーズ)出るといいですね、自然と」と実に頼もしい返答をしてくれた。

2 / 3

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る