「今は勝てなかった」松山英樹が手にした米ツアー優勝の『鍵』

  • 武川玲子●協力 cooperation by Takekawa Reiko
  • photo by Getty Images

「悔しさと手応え? どちらもありますが、悔しさのほうが大きいです」

最終日、バーディーチャンスを外してパターを放り投げて悔しがる松山英樹。最終日、バーディーチャンスを外してパターを放り投げて悔しがる松山英樹。 松山英樹が、米ツアーのウエイストマネジメント・フェニックスオープン(1月30日~2月2日/アリゾナ州)で奮闘。最終日の終盤を迎えて首位に1打差まで迫り、熾烈な優勝争いに加わったが、最後は首位と2打差の通算14アンダー4位タイでフィニッシュ。米ツアー初優勝に、あと一歩およばなかった。

「昨日(3日目)から思うようにパッティングが打てなくなっていた。それが、最後の勝負どころで(パットが)入らなかった要因だと思う。14、15番のバーディーパット? そうですね、惜しいパットが最後のほうで続いた。勝つには、その辺が足りなかった。久しぶりの優勝争いで、チャンスがあると思ってプレイしていましたが、終盤でうまくプレイできなかったのは、すごく悔しいです」

 今季(2013-2014年シーズン)から米ツアー本格参戦を果たした松山だったが、背中痛や左手の痛みなどでおよそ2カ月間、実戦から離れていた。それでも、ファーマーズインシュランスオープン(1月23日~26日/カリフォルニア州)で復帰すると、ショットが安定しない中でも予選を突破。最終的には16位タイという、上々の結果を残した。

 復帰2戦目のフェニックスオープンも、調子は万全ではなかった。試合前には満足できるだけの練習ラウンドを消化できず、松山は「今の段階では先週よりも(ショットの調子は)よくない。(ゴルフに関係する)悪い夢ばかり見る」と語っていた。しかし、いざ本番を迎えると、初日から爆発。練習とは打って変わって精度の高いショットを連発し、首位と2打差の5アンダー10位タイと好スタートを切った。

「(調子が悪いと言っていたショットに関しては)今日はびっくりするぐらいよかった。(ラウンド前の)練習場でもそんなによくなかったんですけど、スタートホールの10番のティーショット(3番ウッド)が、真っ直ぐ飛んでいった。それで、だいぶ気分がよくなって、『(今日は)いけるかな』と思った。本当はもう少し球筋を打ち分けられたら、楽なラウンドになるのかなと思うけど、今はこれ以上求めないようにやっていきたい。(調子が)そこまでの状態じゃないし、いい球筋を求めていくとミスも多くなってくると思うので、欲張り過ぎないでやっていけばいいかな、と思います」

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