【男子ゴルフ】初の予選突破で明かした、石川遼が目標とする「姿」

  • 武川玲子●協力 cooperation by Takekawa Reiko text by Sportiva
  • photo by AFLO

パットに苦しみながらも、今季初の予選通過を決めた石川遼。パットに苦しみながらも、今季初の予選通過を決めた石川遼。 5年連続5度目の出場となるノーザントラストオープンで、石川遼が米ツアー本格参戦4戦目にして初の予選突破を果たした。だが、70位タイというぎりぎりの予選通過で、決勝ラウンドでも思い通りにスコアを伸ばせず、4日間通算5オーバー、61位タイで終了。特に最終日は3オーバーと崩れて、石川からは自身を戒(いまし)める言葉ばかりが漏れた。

「不甲斐ないラウンド。(最終日は)スコアを伸ばして終わりたかったんですが......。もちろん学んだこともありますけど、内容も良くなかったし、終わり方としてはとても悔しい形になってしまいました。たとえ予選を通ったとしても、この順位では経験値もわずかでしかない。やはり優勝争いをして初めて、得られるモノがあったり、自分の悪いところを実感できたりする。経験値というのは、その積み重ねがあって増していくのだと思います。(米ツアー選手として)初の賞金獲得? 今の段階では、そういうことも自分の頭の中には入っていませんし、(自分の評価では)ゼロに等しいです」

 結果が振るわなかった最大の要因は、アイアンショットにあるという。
「アイアンの技術が足りない。バリエーションというより、精度です。その点は、明らかに足りないと思いました。例えば、100球打った場合、一球、一球にかなりのばらつきがある。要するに、いいときと悪いときの差がある。それは、決して微調整して良くなるものではありません。単純に練習量の問題です。プロになってドライバーはずっと練習してきましたけど、アイアンの練習量は圧倒的に足りない。長いスパンをかけて、精度を上げていくしかないと思っています」

 さらに、パッティング、アプローチと、ショートゲームでも苦しんだ。芝目のきついポアナ芝のグリーンに惑わされ、粘りのあるラフからのアプローチをミスしてリズムを崩すシーンが目立った。スコアをふたつ落とした2日目などは、最終18番ホールで1mのパーパットを外して混乱。自分の中で整理がつかなかった石川は茫然自失のまま、初めてひと言も発せずに会場を後にした。

「グリーンは固くて、非常に難しい。おそらく選手全員がそうだと思うのですが、いいパットをしても入るかどうかわからない感覚に陥る芝。(パットを)打った瞬間はすごく良くても、(頭の中で)イメージしている映像から不自然な感じで曲がるんです。それで、昨日(2日目終了後)は自分の中でパッティングについてまったく気持ちの整理ができていなかった。(メディアの)皆さんの前で話すこともすべてウソになると思ったので、コメントもせずに帰ってしまい、申し訳ありませんでした」

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