【男子ゴルフ】試行錯誤を繰り返す石川遼の「現在地」
日本オープンでは、20オーバーの35位タイに終わった石川遼。『trial and error』――。今季の石川遼のゴルフであり、彼の心境に当てはまる言葉だと思う。日本語に訳せば、「試行錯誤」。どうしたら自分が目指すゴルフができるのか、最善の術を探すためにもがいている、今の石川そのものだ。
いったい彼はどこへ向かって歩き出そうとしているのか。
振り返ると、今年は1月初旬から積極的に海外へ挑戦した。それは、米ツアーのシード権を獲得するという目標もあるが、石川にとっては、世界に通用する技量を身につけることが最大の目的だった。
石川の今季のスケジュールを改めて見ると、まず1月初旬のソニーオープンからマスターズまで8試合。続いて5月末のクラウンプラザインビテーショナルから6月の全米オープンを挟んでトラベラーズ選手権まで5試合。さらに7月の全英オープンから8月の全米プロを挟んでウィンダム選手権まで5試合と、4大メジャーを含めて計18試合の米ツアーに参戦している。その間、日本ツアー15試合に出ていて、すでに出場試合は33試合を数える。
果敢にトライした米ツアーで印象に残っているのは、6月初旬のザ・メモリアルトーナメントだ。帝王ジャック・ニクラウスが主催する大会で、米ツアーでは「準メジャー(4大メジャーに匹敵する)」とよく言われ、そのコースセッティングから大会の雰囲気まで、まさにメジャーテイストで行なわれている。そこで、石川は初日こそ35位タイでスタートするも、2日目に12位タイ、3日目には5位タイに浮上。結局、最終日に1オーバーの73とスコアを落として9位タイで終わったものの、3月のプエルトリコオープン(2位)に次ぐ好成績を残した。
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