【女子ゴルフ】
宮里藍「今年はメジャーチャンピオンになる」現実味

  • 武川玲子●文 text by Takekawa Reiko
  • photo by Getty Images

今季序盤戦からいい結果を残している宮里藍。悲願のメジャー優勝への期待が膨らむ。今季序盤戦からいい結果を残している宮里藍。悲願のメジャー優勝への期待が膨らむ。 米ツアー7年目を迎えた宮里藍が、好調な滑り出しを見せている。ここまで3戦に出場し、2位、6位、2位の成績で賞金ランキング2位。2度の2位は世界ランキング1位のヤニ・ツェンと優勝争いを演じて、惜しくも1打差で敗れたもの。武器である正確なショットに加え、ショートゲームの精度はさらに磨きがかかっており、この出来の良さは、開幕戦から2週連続優勝を果たし、年間5勝を挙げた2010年シーズンに迫る勢いだ。

 その要因を、宮里自身は「充実したオフを過ごしたから」と分析する。

「昨季はオフにゆっくり休めなかったのが、スタートダッシュできなかった要因です。でも今季はすごく休めました。一度、自分をリセットしてからオフシーズンに入れたので、身体的にも精神的にも、いい状態でオフを過ごせたのが大きかったです」

 12月は地元・沖縄で2週間のんびりと過ごしたあと、年明けに渡米。例年どおり、メンタルコーチを務めるピア・ニールソンが運営するゴルフスクール、アリゾナ州・フェニックスにある『ビジョン54』で2度の合宿を組んだ。そして今季は、米ツアー開幕戦のオーストラリア女子オープンを欠場。あえて1週間長くオフを過ごしたのも、功を奏したのだろう。

 そこで取り組んだことは、ミドルアイアン(5、6番)の精度を上げることだった。

「昨季はパーオン率があまり良くありませんでした。でもパットに関しては、トップテンに入る数値。ということは、アプローチは寄っているわけです。もちろん、パットも悪くない。そこで、もう少しバーディーを取りたいと思ったら、やっぱりアイアンかな、と思いました。特に、ミドルアイアンでボールが上がりやすく、硬いグリーンでも止まる、そういうショットを課題にしました」

 高い球を打ち、グリーン上でボールと止める、というのは難コースに対応するための試みであることは間違いない。すなわち、宮里は今季、メジャー制覇を完全に視野に入れたということだ。そして、その成果がここまでの結果につながっているのだろう。

 ただ、そんな宮里の前に、女王ヤニ・ツェンが立ちはだかる。

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