【男子ゴルフ】石川遼がついにアメリカツアー本格参戦に照準!?

  • 武川玲子●協力 cooperation by Takekawa Reiko text by Sportiva
  • photo by Getty Images

ホールアウト後、プエルトリコのファンの大声援に応える石川遼。「多くの地元ギャラリーが熱い応援を送ってくれたことに感謝しています。この1週間のことはずっと忘れないと思います」ホールアウト後、プエルトリコのファンの大声援に応える石川遼。「多くの地元ギャラリーが熱い応援を送ってくれたことに感謝しています。この1週間のことはずっと忘れないと思います」 マスターズ(現地時間4月5日~)の出場権獲得を目指して米ツアーに参戦中だった石川遼が、ついに躍動した。世界ランク50位以内の選手が出場するキャデラック選手権には出られなかったものの、急遽推薦出場が決まった"裏"舞台のプエルトリコ・オープンに参戦。大会直前にマスターズへの特別招待という朗報が届くと、同トーナメントで米ツアー最高位となる単独2位という好成績を収めたのだ。

「PGAツアーでの優勝争いは夢のような経験でした。それも、最後の4ホールで3つバーディーが取れたのは、今後の自分にとって大きな財産になりました。昨季は予選落ちばかりでしたが、今季はファーマーズでいいプレイ(13位タイ)ができたし、マッチプレー選手権では実力者のビル・ハースに勝つことができました。そして今回、優勝争いに加わることができ、こうして結果が出ていることで、マスターズに向けてのモチベーションも相当上がっています」

 トップに3打差の5位タイ(10アンダー)と、優勝を射程圏内に入れて臨んだ最終日。石川は序盤、前日安定していたティーショットが左右に乱れて苦しんだ。2番パー5でバーディーが先行するものの、5番パー5ではティーショットを左の池に入れてボギー。不安定なティーショットに引きずられるように、パットも決まらなくなり、前半はスコアを伸ばせずにイーブンで終えた。

「前半のプレイは(優勝が)絶望的な出来でした。後半に(優勝の)望みがない状況に陥って、どうしたらのいいのか、試行錯誤していました」

 それでも、スコアメイクに苦しんでいたのは、石川だけではなかった。「わざわざあんなに苦しむ必要はなかった」と振り返ったハーフを終えたとき、首位との差はスタート時点と変わらず3打差だった。

 そこで、「まだ自分は十分に優勝圏内にいるとわかって、気合いを入れ直しました」という石川は、相性のいいバックナインで爆発。10番、11番で連続バーディーを決めると、12番でボギーを叩くも、ショットが冴え出した15番でバーディーを取り返して右手で大きくガッツポーズ。その勢いのまま、17番、18番と連続バーディーを奪って、通算14アンダーの首位タイでホールアウトした。

「自分が上位で、これほど粘りのあるゴルフができるとは思いませんでした。ポイントになったのは、4日間バーディーだった15番。あそこでスイッチが入りましたね。あのバーディーをきっかけに、残りホールも高い集中力を保ってプレイできました。ショットに関しても、あそこからはごまかしながらスイングするようなことはなく、自分の中でつかんだものがありました」

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