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戦う相手はバルセロナではない トラブル続出のレアル・マドリードに何が起きているのか (3ページ目)

  • リカルド・セティオン●文 text by Ricardo Setyon
  • 利根川晶子●翻訳 translation by Akiko Tonegawa

【モドリッチがいなかった】

 ここ数年で、レアル・マドリードの屋台骨ともいうべき選手たちが次々とチームを後にしていった。セルヒオ・ラモス、マルセロ、カリム・ベンゼマ、ナチョ、トニ・クロース、そして何よりルカ・モドリッチ。彼らが重要だったのは、単にピッチ上ですばらしいプレーを見せていたからではない。

 彼らはチームの伝統であり、統率力であり、ロッカールームに安心感を与える存在だった。いつ発言すべきか、いつ黙っているべきか、新加入の若い選手をどう迎え入れればいいのか、小さな問題が大きなトラブルに発展する前に、いつチームメートを呼び止めて話をするべきか。彼らはそうしたことをすべて心得ていた。

 クロースやモドリッチは、声を荒らげなくても周囲を従わせることができた。ナチョはサッカー人生のほぼすべてをレアル・マドリードで過ごした選手だった。ベンゼマは、伝説的なサンティアゴ・ベルナベウでプレーすることのあらゆる重圧を経験してきた。

 彼らが去ったあと、クラブはピッチ上のポジションを埋める選手を見つけることには成功した。ボールを持たせればすばらしい才能を発揮した。だがロッカールームの扉が閉められたあとに果たしていた役割を埋めることは、はるかに難しかった。そのことを最もよく理解していたのが、モドリッチだったのかもしれない。

 モウリーニョは、マドリードに戻る時、チームにまだモドリッチがいてくれたら、と思ったかもしれない。しかし、それはかなわなかった。クロアチア人MFは2025年にレアル・マドリードを去っていた。2012年、モドリッチをマドリードに連れてきたのは、ほかならぬモウリーニョ自身だった。当時はその獲得を疑問視する声もあったが、モドリッチはやがてクラブの歴史に残る選手となった。そして今、モウリーニョは、自らが見いだした最高のリーダーのひとりを欠いたまま、チームを立て直そうとしている。

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