【欧州サッカー】ルイ・コスタは立ち居振る舞い「すべて」が美しかった ミラニスタが愛したポルトガルの巨匠
世界に魔法をかけたフットボール・ヒーローズ
【第58回/最終回】ルイ・コスタ(ポルトガル)
サッカーシーンには突如として、たったひとつのプレーでファンの心を鷲掴みにする選手が現れる。選ばれし者にしかできない「魔法をかけた」瞬間だ。世界を魅了した古今東西のフットボール・ヒーローたちを、『ワールドサッカーダイジェスト』初代編集長の粕谷秀樹氏が紹介する。
第58回はポルトガル代表のMFルイ・コスタにスポットを当てたい。ピッチ上で優雅に攻撃のタクトをふるう「マエストロ」に、世界中のファンは一目惚れした。最終回を飾るにふさわしい「世界に魔法をかけた」フットボール・ヒーローだ。
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ルイ・コスタ/1972年3月29日生まれ、ポルトガル・アマドーラ出身 photo by AFLO 数多くのスポーツチームに「黄金世代」が存在し、人々の記憶に深く刻み込まれている。サッカーも国内・海外いずれの時代も、思い浮かべることのできるチームがあるだろう。
マンチェスター・ユナイテッドでは、いわゆる「ファーギーズ・フレッジリングス(アレックス・ファーガソン監督のひな鳥たち)」だ。デビッド・ベッカム、ポール・スコールズ、ライアン・ギグスなどの世代である。
日本代表では1999年ワールドユース(現U-20ワールドカップ)で準優勝したジェネレーション。小野伸二、稲本潤一、遠藤保仁といった面々を指す。
ポルトガル代表にも「黄金世代」は存在する。ヨーロッパはおろか、世界制覇も可能と考えられたタレントを一気に輩出した。ルイス・フィーゴ、パウロ・ソウザ、フェルナンド・コウト、ジョアン・ピント、そしてルイ・コスタである。
彼らが織りなすテクニカル、かつ攻撃的なフットボールは多くのファンを魅了し、1989年と1991年のワールドユースを制した際には「世界王者の次期有力候補」と言われていた。
ただ、彼らがフル代表に成長したあと、タイトルには手が届かなかった。「黄金世代」がピークを迎えたEURO2000はストライカー不足でベスト4に終わり、2年後の日韓ワールドカップはアメリカと韓国に敗れて決勝ラウンドにすら進めなかった。
いずれの大会も「技巧に走りすぎた」「フィジカルが足りない」といった批判がついてまわった。
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著者プロフィール

粕谷秀樹 (かすや・ひでき)
1958年、東京・下北沢生まれ。出版社勤務を経て、2001年
、フリーランスに転身。プレミアリーグ、チャンピオンズリーグ、 海外サッカー情報番組のコメンテイターを務めるとともに、コラム 、エッセイも執筆。著書に『プレミアリーグ観戦レシピ』(東邦出 版)、責任編集では「サッカーのある街」(ベースボールマガジン 社)など多数。

