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サッカー日本代表のMF陣に割って入るか オランダでプレー中の22歳が評価急上昇中

  • 西部謙司●文 text by Kenji Nishibe

西部謙司が考察 サッカースターのセオリー 
第86回 佐野航大

 日々進化する現代サッカーの厳しさのなかで、トップクラスの選手たちはどのように生き抜いているのか。サッカー戦術、プレー分析の第一人者、ライターの西部謙司氏が考察します。

 今回は今冬の欧州サッカー移籍市場で話題となった、NECナイメヘンのMF佐野航大を取り上げます。日本人選手の典型的な特徴を持つ佐野の評価は、なぜ高まっているのでしょうか。

【2000万ユーロのオファー】

 NECナイメヘン所属の佐野航大にはオファーが相次いでいたようだ。最も高額だったのがノッティンガム・フォレストの2000万ユーロ(約36億円)。しかしNECはこれを拒絶。アヤックスは佐野とほぼ合意していたが、これもNECが拒否した。

オランダNECナイメヘンで活躍中の佐野航大 photo by Getty ImagesオランダNECナイメヘンで活躍中の佐野航大 photo by Getty Imagesこの記事に関連する写真を見る アヤックスOBの「これほど高額のオファーを蹴るのはもはや犯罪だ」というコメントが話題になっていたが、NECがここまで佐野の残留に固執したのは来季チャンピオンズリーグ(CL)出場の可能性があるからだ。

 第22節時点でNECはオランダリーグ3位。首位はPSVが独走状態だが、2位フェイエノールトとは1ポイント差につけている。リーグ2位ならストレートイン、3位でもプレーオフの出場権を得られる。CL出場による収入アップを考えれば、ここで2000万ユーロを手にするよりも、シーズン終了後に1500万ユーロ(NECの設定額)で売却したほうが、クラブとしてははるかに得だという計算である。

 NECのCL出場権獲得のために、佐野は欠かせない戦力になっている。

 CB、アンカー、トップ下、FWのどこでもこなせるユーティリティプレーヤーだが、現在はボランチに定着している。攻守に傑出したプレーを見せていて、NECはこのタイミングで佐野を失えば大きな戦力ダウンは避けられない。

 AZにアウェーで勝利(3-1)した第21節、佐野はボール奪取からのパスで2点目をアシスト。さらにダイレクトのミドルで3点目を決めている。クリアボールを直接蹴り込んだシュートは左足のアウトでボールをカットし、大きくカーブさせたゴール。利き足でない左足での巧妙な一撃は、さらに市場価値を上げたかもしれない。

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著者プロフィール

  • 西部謙司

    西部謙司 (にしべ・けんじ)

    1962年、東京生まれ。サッカー専門誌「ストライカー」の編集記者を経て2002年からフリーランスに。「戦術リストランテ」「Jリーグ新戦術レポート」などシリーズ化している著作のほか、「サッカー 止める蹴る解剖図鑑」(風間八宏著)などの構成も手掛ける。ジェフユナイテッド千葉を追った「犬の生活」、「Jリーグ戦術ラボ」のWEB連載を継続中。

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