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話題稼ぎの「移籍の噂」をよそに、久保建英はいよいよレアル・ソシエダの攻撃リーダーとして活躍の予感

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki

 ホーム開幕戦となった第2節のエスパニョール戦で、レアル・ソシエダ(以下ラ・レアル)の久保建英は、前節バレンシア戦に続いて好プレーを見せている。

「ベストゲームではなかったが、重要な試合だった。久保はボールを受けるたび、敵にストレスを、不具合を作り出していた。序盤、自身がゴールに近づいたシーンや、右足でいいクロスを供給、そして試合終盤の反撃にもひと役を買った」

 スペイン大手スポーツ紙『エル・ムンド・デポルティーボ』は、久保に高評価を与えていた。

エスパニョール戦にフル出場、2得点の起点となった久保建英(レアル・ソシエダ) photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIAエスパニョール戦にフル出場、2得点の起点となった久保建英(レアル・ソシエダ) photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIAこの記事に関連する写真を見る 以下は、試合後の久保のコメントだ。

「もっと主役になりたいです。周りの人が自分に求めている役割を果たすことで」
「ハーフタイム、後半に向けては『新しいシーズン、期待に応えるために試合の流れを変え、戦う姿勢を見せる必要がある』と入り、うまくいきました」
「今シーズン、自分が目指しているのは"数字"」
「スビ(マルティン・スビメンディ)とも話したんですけど、多くの主力が去って、ラ・レアルで重要な役を演じる番が自分に来たと思う」

 それらに通底しているのは、ラ・レアルの選手としてのかつてないほどのリーダーシップだ。

 今も久保の移籍の噂はくすぶり続けている。

「サウジアラビアのクラブが大金を用意している」「プレミアリーグのクラブはあきらめていない」「パリ・サンジェルマンとの交換トレード?」......。

 だが、どれも今まで騒いできた噂レベルの域を出ない。まず、2029年6月末まで契約のあるラ・レアルが手放す意思がないのである。久保本人も大金をもらえるならどこでもいいわけでもない。また、すでに各国でシーズンが開幕し、途中加入がハイリスクなのも承知しているだろう。9月1日(現地時間)がラ・リーガの移籍期限だが、ネタ元の信用度が低い、話題稼ぎの移籍情報はいい加減にすべきだ。

 ラ・レアルはエスパニョール戦の冒頭10分間、非常にいい形で試合に入っている。相手のプレスをいなし、ボールを前に進める。久保も自ら際どいシュートを打ち、アンデル・バレネチェアに惜しいクロスを送った。ミケル・オヤルサバルやジョン・アランブルとのコンビネーションで、何度もチャンスを作っていた。

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著者プロフィール

  • 小宮良之

    小宮良之 (こみやよしゆき)

    スポーツライター。1972年生まれ、横浜出身。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。パリ五輪ではバレーボールを中心に取材。

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