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話題稼ぎの「移籍の噂」をよそに、久保建英はいよいよレアル・ソシエダの攻撃リーダーとして活躍の予感 (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki

【チームは敗北から救う】

 ところが連続失点で、チームは意気消沈する。攻撃的スタイルは、守備の弱さが浮き彫りになった。ちぐはぐな印象で前半を終え、後半もなかなか反撃に転じられなかった。

 だが60分、久保は自陣でジョン・ゴロチャテギからのフィードを受け、ドリブルでスペースを作ってパブロ・マリンにつなげた。マリンはゴール前に走り込んだバレネチェアにスルーパスを送り、これはディフェンスに防がれかけるもこぼれ、バレネチェアがゴールに蹴り込んだ。

 そして68分にも、久保は敵陣でボールを受けると、軽やかなターンからインサイドに入った。ライン間のオヤルサバルにパス。オヤルサバルがオーリ・オスカールソンへラストパスを送ると、右足でファーサイドに流し込んだ。

 久保にアシストはつかなかったが、それに等しいプレーで、チームを敗北から救っている。しつこいマークをしてきた左サイドバックのカルロス・ロメロを翻弄。中、外と仕掛けを使い分け、時間を追うごとに差を見せつけた。相手はラグビーのようなタックルでしか止められなかった。

 この同点劇で言えるのは、ラ・レアルが後半に巻き返したこと、その旗手になったのが久保だったこと、そして選手交代が奏功した点だろう。三つの事象は、久保を起点にしていた。そこに今シーズンのラ・レアルの明るい兆しが見えた。

 交代出場したMFゴロチャテギ、FWオスカールソンが入った約15分間、ラ・レアルは4-4-2の中盤ダイヤモンド型(4-3-3の可変とも言えるが)に近い布陣で戦っている。トップにオスカールソンが張り、オヤルサバルが少し下がり、マリンがトップ下的に。久保、バレネチェアが連係を活発化。アンカーのゴロチャテギがスビメンディを彷彿つとさせるプレーメイクを見せ、攻撃の圧力が倍増した。

 このメンツは、ラ・レアルのパターンのひとつになるかもしれない。15分ほどでオヤルサバルが下がって、ブライス・メンデスが入り、布陣を元に戻したのは、守備のリスクが高いからだろうが、自慢の攻撃力を前面に出すことができることがわかったのは大きな収穫だ。

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