久保建英の移籍は「フェイクニュース」と地元スペイン人記者「意図的に騒ぎ立てるサイトがある」 (3ページ目)
【エスパニョール戦でも確かな貢献】
久保建英はやはり久保建英だ。ラ・リーガとレアル・ソシエダのスター選手であり、その存在だけで相手チームの混乱を招くことができる。今季のホーム開幕戦となったエスパニョール戦ではベストパフォーマンスを発揮できなかったが、チームが攻勢を強めた時、確かに貢献していた。
セルヒオ・フランシスコは試合後、久保についてこう話している。
「タケは前半、特に立ち上がりがとてもよかった。姿をくらますことなくボールを求めている。前線の選手たちにはもっとゴールに近い位置でプレーしてほしい。なぜなら彼らが関与すれば何かが起こり、ゴールに近づけるからだ」
ラ・レアルは最初の10分間で相手を大きく上回り、目まぐるしく展開するなかで久保が右足で最初のチャンスを掴んだ。そして後半11分に最初の選手交代を行なったあとはさらに組織化され、攻撃に専念し2-2 の同点に追いついたのだ。
久保はフル出場するも得点やアシストはなかったが、キーパス4本、クロス3本、被ファウル5回(※実際にはPKの可能性があったものを含め、流されたファウルがいくつもあった)を記録し、好プレーを披露した。
久保は試合後、いつものように自己批判してよりよい結果を出すことを求め、チームには方向性を見失っていた、0-1の失点から選手交代までのパフォーマンスを改善するように要求した。
「前半の内容を除けばかなりよかった。僕たちはさまざまな形でうまく対応しているが、2試合ともリードを許したのは好ましいことではない。あまりにも簡単にやられた0-1の失点は本当に腹が立った。僕たちにもいくつかのチャンスがあったのに、何の変哲もないカウンターで攻め込まれてゴールを決められたことで、メンタル面が少し落ち込んでしまった。僕たちは若いチームなので、その点を修正する必要がある」
さらに久保は、次のように目標を語った。
「今季はもっと責任を負ってより主役を演じ、周囲の期待に応えられるように努めたい。今日は特に後半、チームに貢献するために少し下がってプレーを生み出し、チームメイトに有利な状況を作るため1対2の不利な役割を引き受ける必要があった。1点目も2点目もそうなったし、もし僕がそのような形でチームに貢献できるなら最高だ。昨日、(今季からアーセナルに移籍した)スビメンディの話を聞いたけど、彼は昨季、主力選手が移籍したことで、ラ・レアルでその役割を担わなければならなかったと言っていた。今季は自分の番だと思う」
髙橋智行●翻訳(translation by Takahashi Tomoyuki)
著者プロフィール
高橋智行 (たかはし・ともゆき)
茨城県出身。大学卒業後、映像関連の仕事を経て2006年にスペインへ渡り、サッカーに関する記事執筆や翻訳、スポーツ紙通信員など、リーガ・エスパニョーラを中心としたメディアの仕事に携わっている。
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