久保建英の移籍は「フェイクニュース」と地元スペイン人記者「意図的に騒ぎ立てるサイトがある」 (2ページ目)
【久保の人気を利用しようとする者がいる】
欧州カップ戦の出場権を逃した失望感や監督交代に伴う不透明な状況から、昨季終盤から現在に至るまで、久保の今夏移籍の可能性が度々報じられてきたが、サン・セバスティアンでは現在、ラ・レアルを離れる可能性は極めて低いという見方が強い。
ラ・レアルがどのクラブとも交渉するつもりがないという点で、久保の状況は他の選手と大きく異なっている。その理由は、ラ・レアルが彼の移籍によって得たキャピタルゲイン(購入価格と売却価格の差による収益)の50%をレアル・マドリードに支払わなければならないためだ。つまり、ラ・レアルが久保売却で得られる最高額は3300万ユーロ(約56億1000万円)。これは獲得するクラブが契約解除金を全額支払った場合に限るが、ラ・レアルにとってそれほど大きな利益が出るわけではないため、契約解除金以下での交渉を受け入れる可能性はないだろう。
さらに、久保は優秀な選手であり、メディアの注目を浴びているが、彼の成績はまだビッグクラブが6000万ユーロ(約102億円)を支払うほどの水準には達していない。機会がある度に自らも話しているように、ゴールやアシストを記録するという点を向上させる必要があるのを自覚している。それを達成できれば、彼はどのクラブにとっても魅力的な選手となり、その時にはラ・レアルが引き止めるのは非常に難しいだろう。
久保は母国で熱狂的な人気を誇っているという点でもメディアの話題になっており、それを利用しようとする者もいる。ラ・レアルを知る誰もがこの状況をよく理解しているにもかかわらず、久保の去就に関する噂が毎月のように流れている。
フェイクニュースが蔓延し、そのような情報を鵜呑みにしている人たちがたくさんいるこの時代において、全くプロ意識のない扇動的なウェブサイトが騒ぎ立てることで注目を集めている。なかでも『FICHAJES.COM』、『EL NACIONAL.CAT』、『GOL DIGITAL』といったウェブサイトは信ぴょう性に欠けるだけでなく、アクセス数を稼ぐため意図的に久保のフェイクニュースを流し続けている。
一方、スペインやイギリスの専門メディアが、久保に対して複数のクラブが興味を示していると報じたのも事実だが、それ以上の進展はない。なぜなら情報を掘り下げていくと、ジャーナリストたちは6000万ユーロ以下で移籍が成立しないと気づくからだ。
リバプール、バイエルン、パリ・サンジェルマン、アトレティコ・マドリード、エバートン、トッテナムなどのクラブはその資金を持っているが、ゴールやアシストでより具体的な貢献ができる選手、あるいはより価値が高い選手に投資することを好んでいる。
また、久保の前の代理人は常に彼の移籍を画策していた。久保は先日新しい代理人事務所と契約を結んだばかりだが、彼らも移籍市場で探りを入れている。
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