今年のバロンドールを予想 デンベレ、エムバペ、ヤマル...サッカー界のスーパースターランキング (3ページ目)
【サッカーの中身が衝撃的だったパリ・サンジェルマン】
杉山茂樹(スポーツライター)
<バロンドール候補>
ウスマン・デンベレ(パリ・サンジェルマン)
ヴィティーニャ(パリ・サンジェルマン)
アクラフ・ハキミ(パリ・サンジェルマン)
ラミン・ヤマル(バルセロナ)
マイケル・オリーセ(バエイルン)
昨季の欧州シーズンに目を凝らせば、CLを制したPSGから大量に選びたくなる。最近の優勝チームのなかでも群を抜く強さで、なによりサッカーの中身が衝撃的だった。バロンドールはそのなかで一番は誰かという話になる。世間ではウスマン・デンベレを推す声が高いようだが、簡単にそう言ってしまうと他の選手の活躍が霞む。悩むところだが、筆者もその声に従うことにしたい。
デジレ・ドゥエやブラッドリー・バルコラにも言えることだが、デンベレで画期的に映るのは右も左も真ん中もできる多機能性だ。ウイングを左右できる選手はこれまでにも存在したが、真ん中までできちゃう選手というのは記憶がない。
俗に言う流動的な動きではない。ポジショニングに間違いがないところがすばらしい。相手ボールになった時、穴にならない。リオネル・メッシ、クリスティアーノ・ロナウドにありがちな、マイボール時に限ったスターではないところに先進性を覚える。いつの間にここまで頭脳優秀な選手になったのか。もし実際にバロンドールを獲得したら、監督のルイス・エンリケ様々と言えるのかもしれない。
PSG内で2番手を選ぶことも難しい。フビチャ・クバラツヘリアも捨てがたい存在だが、次に推したくなるのは中盤のヴィティーニャだ。172センチ。小柄で軽量の選手ながら、勤勉さと技巧を高次元で発揮しながらアンカーという中心的なポジションを務める。それは日本人選手のあるべき姿を示しているようで、眩しく映る。
3人目もPSGから選びたい。右サイドバック(SB)のアクラフ・ハキミだ。左のヌーノ・メンデスもそうだが「SBが活躍したチームが勝つ」という近代サッカーの格言を地で行く、お手本のような存在だった。グイグイとボールを縦に運ぶ能力。チャンスに絡むセンスのよさに加え、決定力もある。SBをより魅力的なポジションに昇華させたという意味でも、高い貢献度を感じる。
4番手はPSG以外から選ぶことにしたい。となると筆頭はラミン・ヤマルで動かない。左利きが強い右ウイング。PSGの攻撃陣のような多機能性はない。新しいタイプには見えないが、それを差し引いても圧倒的なインパクトがある。まさに絵になる選手。光り輝く存在に映る。バルセロナがCLを制すれば、その瞬間、バロンドールに輝く選手である。その意味では今季のCL準決勝インテル戦の敗戦は痛かった。
同じバルサのラフィーニャも好選手の名をほしいままにするアタッカーだし、モハメド・サラーも相変わらずすばらしい。CL優勝なら即、1番手に推したくなるが、プレミアリーグ優勝では訴求力という点でやや物足りない。
その点で言えばブンデスリーガ優勝はさらに足りなく映るが、そうした理屈を超えても5番手に加えておきたいのは、マイケル・オリーセだ。破壊力と技巧を高次元で備えた、いま飛ぶ鳥を落とす勢いにある右ウイング。フランス代表のディディエ・デシャン監督は、来年のW杯にどんなアタッカー陣で臨むのか。目を凝らしたい。
著者プロフィール
西部謙司 (にしべ・けんじ)
1962年、東京生まれ。サッカー専門誌「ストライカー」の編集記者を経て2002年からフリーランスに。「戦術リストランテ」「Jリーグ新戦術レポート」などシリーズ化している著作のほか、「サッカー 止める蹴る解剖図鑑」(風間八宏著)などの構成も手掛ける。ジェフユナイテッド千葉を追った「犬の生活」、「Jリーグ戦術ラボ」のWEB連載を継続中。
中山 淳 (なかやま・あつし)
1970年生まれ、山梨県出身。月刊「ワールドサッカーグラフィック」誌編集部勤務、同誌編集長を経て独立。スポーツ関連の出版物やデジタルコンテンツの企画制作を行なうほか、サッカーおよびスポーツメディアに執筆。サッカー中継の解説、サッカー関連番組にも出演する。近著『Jリーグを使ってみませんか? 地域に笑顔を増やす驚きの活動例』(ベースボール・マガジン社)
杉山茂樹 (すぎやましげき)
スポーツライター。静岡県出身。得意分野はサッカーでW杯取材は2022年カタール大会で11回連続。五輪も夏冬併せ9度取材。著書に『ドーハ以後』(文藝春秋)、『4-2-3-1』『バルサ対マンU』(光文社)、『3-4-3』(集英社)、『日本サッカー偏差値52』(じっぴコンパクト新書)、『「負け」に向き合う勇気』(星海社新書)、『監督図鑑』(廣済堂出版)、『36.4%のゴールはサイドから生まれる』(実業之日本社)など多数。
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