クラブワールドカップ4強決定 レアル・マドリード、パリ・サンジェルマンが全力で戦う理由 (3ページ目)
【大会への批判は過去のものに?】
グアルディオラも語っている。
「南米のクラブと対戦するのは大好きだ。彼らの挑戦する姿勢、闘志を見てほしい。すべてのボールに命を懸けてくる。凄まじい闘志だ。スタイルは違っても、彼らとの試合はどれもタフになる。あと、彼らのゴールセレブレーションが好きだね。全員で一緒に喜ぶんだ。サポーターも多くて熱い。彼らはいつだってサッカーを愛している。朝でも夜でも。サッカーが文化なんだ。そういう体験ができるのがすばらしい」
ヨーロッパのメディアは依然としてこの大会を「おまけ扱い」する傾向にあるが、実際は、自国クラブの勝敗に一喜一憂し、敗北すれば言い訳に走っている。
ヨーロッパのクラブは「金」と「名誉」のため、そして自らの地位を失わないためにやって来る。世界に自分たちの「宝石」を披露するためでもある。南米のクラブは名誉と誇りのために、そして「金がなくても勝てる」ことを証明するためにやって来る。
その構図は、かつてトヨタカップと呼ばれていた頃から変わらない。あの頃も、ヨーロッパのクラブは疲れ、「ひどい日程だ」とぼやいていた。それでもみんな、日本にやって来たではないか。しかも常に最強のメンバーで。
新たに加わったアジアやアフリカのクラブもまた、成長のためにこの場を戦っている。今はまだ挑戦者だが、彼らもまた「いつか世界一」の夢を胸に、大会にやって来る。
準決勝、決勝とビッグクラブ同士の激突が続く。観客は平均3万人超。批判はもう過去のものだろう。ジャンニ・インファンティーノFIFA会長が言っていたことは、結局は正しかったのだ。
もうひとつ重要なのは、この大会が今後、ワールドカップ開催国のテスト大会としての役割を担っていくということだ。つまり、従来のコンフェデレーションズカップに代わり、クラブワールドカップがワールドカップの前哨戦として位置づけられることになる。
2030年のワールドカップはスペイン、ポルトガル、モロッコなどの共同開催となるが、すでにブラジルが2029年クラブワールドカップの開催に名乗りを上げている。
今、我々の目の前で歴史が動いている。世界のスターたちがクラブのエンブレムを胸に世界の舞台で戦う姿は、ほかのどこでも見ることができない。
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