サッカー日本代表と欧州の強豪を比較検証 イタリアに大勝した急成長ノルウェーに太刀打ちできるのか (2ページ目)
【イタリアの守備陣がタジタジに】
ハーランド、セルロートというふたりのストライカーを擁した布陣は強力である。イタリアのハイプレスに対し、ハイボールを蹴るのだが、身長195センチ前後の巨漢FWふたりがボールを収めてしまう。体をぶつけると押し負けるだけに、不用意に飛び込めない。
ふたりは戦術的な動きにも優れ、3トップ構成の一角でポジションを変えながら、前線で拠点を作ってイタリアを翻弄。セルロートは名手ジャンルイジ・ドンナルンマ(パリ・サンジェルマン)の股を抜く左足シュートを決め、ハーランドはドンナルンマをきれいに抜き去って得点した。ラ・リーガ、プレミアリーグで得点王を争う実力は伊達ではない。
3トップの左は、スピードとトリッキーな技を併せ持つヌサが勇躍した。誇張ではなく、北欧のネイマールといったところか。イタリア戦もカウンターでボールを運び、セルロートにラストパスで得点をアシスト。その後、味方が収めたロングボールを受けると、電撃的に右足を一閃し、ゴールネットを揺らした。
ノルウェーのディフェンス陣に世界的に有名な選手はいない。しかし、イタリアの反撃も完封。セットプレーを与えても、高さで負けないのが優位点だ。
翻って、森保ジャパンはノルウェーの高さをはね返せるか。イタリア戦ではMFモアテン・トルスビー(ジェノア)がGKエルヤン・ニーラン(セビージャ)からのロングボールを見事に収め、起点になっていたが、この時点でかなりてこずることになるだろう。イタリアの屈強なディフェンスでさえ、全員の平均身長が190センチ近い相手に"制空権"を握られてタジタジだった。
森保一監督はアジア最終予選では3バックを使ってきた。理由のひとつは単純にセンターバックを増やし、守備力を高めたいのだろう(攻撃的な戦いを提唱するが、それにしては3バックの距離間が近すぎる。持ち上がるプレーもなく、ビルドアップの工夫もない)。しかし、3人いようと5人いようと、放り込まれるだけで劣勢に回るだろう。守備を極めたイタリアの守備陣も太刀打ちできなかった高さとパワーだ。
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