サッカー日本代表とワールドカップ優勝候補に挙がる欧州列強を比較 ポルトガルと渡り合うことは可能か (2ページ目)
【攻撃陣は拮抗できるはずだが......】
森保ジャパンのディフェンスはロナウドを、89分は抑えることはできるかもしれない。しかし、残り1分を封じられるか。ドイツの並み居るディフェンスたちも、ほんのわずかな隙を狙われてシュートまで持ち込まれていた。彼を中心にかさにかかって攻め込まれた時、ピッチに立つ者しかわからない危機感を覚えるはずだ。
そして今のポルトガルは、各ポジションに人材がいる。FW、MF、DF、GKと穴がない。ヴィティーニャ(パリ・サンジェルマン)、ブルーノ・フェルナンデス(マンチェスター・ユナイテッド)、ベルナルド・シルバ(マンチェスター・シティ)、ヌーノ・メンデスは世界ベストイレブンに相当。左サイドアタッカーだけでも、ネト、ディオゴ・ジョタ(リバプール)、ラファエル・レオン(ミラン)と有力選手を擁しているのだ。
ポルトガルを率いるスペイン人監督ロベルト・マルティネスは、ベルギー代表を強豪に押し上げた実績があり、攻撃的マインドをチームに植えつけられる。交代カードを切る手腕も卓抜。ロシアワールドカップ、西野朗監督が率いる日本と戦って、交代カードを切って2点差を後半アディショナルタイムにひっくり返して3-2とし、差を見せつけた。
ドイツ戦でも、後半途中からフランシスコ・コンセイソン(ユベントス)、ヴィティーニャを次々に投入し、効果てきめんだった。右サイドからの攻撃のインテンシティを一気に高めると、コンセイソンがカットインから左足で同点弾を決める。また、ヴィティーニャが抜群のキープ力と機動力を生かしたドリブル力で攻撃を活性化し、試合の流れを決定づけていた。
森保監督に歴戦の指揮官、マルティネス監督のような采配ができるか? 正直、疑わしい。
日本とポルトガルは、伝統的にプレースタイルが似ている。いわゆる点取り屋はなかなか出てこないが、中盤は器用でうまい選手が多く輩出、伝統的にウインガーも多い(パウロ・フットレ、ルイス・フィーゴ、シモン・サブローザ、リカルド・クアレスマ、ロナウド、ナニなど)。全体としてテクニカルなイメージだ。
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