久保建英に強力なライバル出現!? 番記者が「華麗な左足のキックで際立っている」と絶賛 (3ページ目)

  • ロベルト・ラマホ●取材・文 text by Roberto Ramajo

【両者が同じピッチに立つほうがいい】

 セルヒオ・ゴメスは久保にないものを持っている。久保もボールをうまく蹴ることはできるが、セルヒオ・ゴメスはそれ以上だ。また、戦術的センスに長けており、ピッチでどのようにポジションを取れば容易に競り合いやリバウンドを制することができるかを心得ている。

 チームメイトとショートパスで連係し、誰も見つけられないようなスペースにパスを通すこともできる。さらに、イマノルと何年も過ごしているにもかかわらず、久保が難しいと感じている、守備をうまくやる方法も知っている。

 一方、久保にもセルヒオ・ゴメスにないものがある。それは、たとえば突破力だ。セルヒオ・ゴメスには静止した状態からのドリブルやスピードはないし、ゲームの均衡を破り、ゴールラインまで行き、クロスをあげるような選手でもない。それは久保の得意とするところだ。

 さらに、久保は自分が主役を演じるすべてのプレーで魔法を放つことができる。予測不可能で、いつどこで出るかがわからない。それはイマノルが最大限生かさなければならないものだ。そうすれば、久保をベストの状態に戻すことができるし、私たちはそうなることを願っている。

 次節はそれを実現するのに理想的な試合となるかもしれない。なぜなら対戦相手のレアル・マドリードは、久保がこれまで常に高いモチベーションで臨んできた古巣だからだ。彼が自分自身の正当性を証明し、すべての批判を黙らせるのに、これ以上の舞台はないだろう。

(髙橋智行●翻訳 translation by Takahashi Tomoyuki)

著者プロフィール

  • 高橋智行

    高橋智行 (たかはし・ともゆき)

    茨城県出身。大学卒業後、映像関連の仕事を経て2006年にスペインへ渡り、サッカーに関する記事執筆や翻訳、スポーツ紙通信員など、リーガ・エスパニョーラを中心としたメディアの仕事に携わっている。

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