ユーロ2024で市場価値爆上がり中 ニコ・ウィリアムズはこうしてブレイクした (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki

 迎えるドイツ戦、ニコは左サイドでジョシュア・キミッヒとマッチアップすることになるだろう。老獪なディフェンスで対処してくるだろうが、ボールが足元に入ったら、ニコの突破は止められない。相手が一歩下がったら、精度の高いクロスを両足で入れ、あるいはワンツーから抜け出す。手数は多く、技は次々と生まれる。

 ヤマルとのプレーは以心伝心で、対角同士で通じ合っている。どちらかのアシストで、どちらかのゴールが決まるかもしれない。両サイドから万力で押し潰す攻撃だ。

「ドイツ戦はインテンシティの高い勝負になるだろう。僕はやる気に満ちているよ」

 ニコはそう言って臨戦態勢に入った。無邪気な好奇心と奔放な野心が、彼の成長を加速させる。

プロフィール

  • 小宮良之

    小宮良之 (こみやよしゆき)

    スポーツライター。1972年生まれ、横浜出身。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。

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