ユーロ2024はどこが優勝するか? エムバペが引っ張るフランス、タレント軍団イングランド、開催国ドイツほか注目チーム&選手を紹介 (2ページ目)

  • 篠 幸彦●文 text by Shino Yukihiko

【タレント軍団のイングランド】

この記事に関連する写真を見る タレントではフランスにも引けを取らないのが、イングランドだ。とくに前線は強烈で、トップはバイエルンで今季36点と量産したキャプテンのハリー・ケインが不動だが、その控えにはアストン・ビラで19得点13アシストと大車輪の活躍だった、オリー・ワトキンスがいる。

 トップ下はレアル・マドリードのジュード・ベリンガム、チェルシーで22得点11アシストとブレイクしたコール・パーマーと充実し、当確と見られていたジェームズ・マディソン(トッテナム)がまさかの落選となったほどだ。

 両ウイングはさらに熾烈。右にはブカヨ・サカ(アーセナル)にジャロッド・ボーウェン(ウェストハム)、パーマーも担える。左はアンソニー・ゴードン(ニューカッスル)がいて、フィル・フォーデン(マンチェスター・シティ)とエベレチ・エゼ(クリスタル・パレス)は両ウイングとトップ下もできる万能型。これまで代表常連だったジャック・グリーリッシュ(マンチェスター・シティ)やマーカス・ラシュフォード(マンチェスター・ユナイテッド)が落選となる激戦区ぶりとなった。

 ボランチのデクラン・ライス(アーセナル)の相方に誰を据えるかも注目である。正確無比なキックで局面を一変させるトレント・アレクサンダー=アーノルド(リバプール)、ハードワークを惜しまないコナー・ギャラガー(チェルシー)、卓越したテクニックを有する新進気鋭のコビー・メイヌー(マンチェスター・ユナイテッド)と、三者三様の持ち味があり、ガレス・サウスゲート監督を悩ませる。

 懸念材料があるとすれば最終ラインか。とくに左サイドバックはルーク・ショー(マンチェスター・ユナイテッド)が選出されたが、今季終盤はケガでまったくプレーしていない。直前のアイスランドとの親善試合ではキーラン・トリッピアー(ニューカッスル)を左で起用した。

 いずれにしてもタレントの数、年齢や経験値のバランスで言えば屈指の好チームであることは間違いない。前回大会、決勝でPK戦によって敗れたあの時の忘れものを今大会こそ取りに行ける布陣は揃っている。

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