ユーロ2024はどこが優勝するか? エムバペが引っ張るフランス、タレント軍団イングランド、開催国ドイツほか注目チーム&選手を紹介 (4ページ目)

  • 篠 幸彦●文 text by Shino Yukihiko

【立て直してきた前回王者イタリア、経験豊富なポルトガル】

この記事に関連する写真を見る 注目国では、前回大会王者のイタリアも挙げたい。カタールW杯ではまさかの欧州予選敗退となり、一時代を終えたアズーリは厳しい時期を迎えていた。そこを立て直したのが名将ルチアーノ・スパレッティである。

 今大会の予選ではイングランド、ウクライナと同組になる厳しいグループとなり、開幕から1勝1分1敗と出遅れた。しかし、最終節では勝ち点で並んだウクライナと引き分け、当該チーム間の対戦における勝ち点で上回り、2位となって予選通過を果たした。

 予選を通過してからは、それまでの4-3-3から3-4-2-1のシステムに変更し、今季のスクデットを圧倒的な強さで勝ち取ったインテルの3バックをベースとした。安定した守備からマテオ・レテギ(ジェノア)やフェデリコ・キエーザ(ユベントス)、ジャンルカ・スカマッカ(アタランタ)ら前線のタレントをスパレッティがどのように生かすかは見ものである。

 グループBはスペイン、クロアチアと同組のいわゆる"死のグループ"。予選での死線をくぐり抜けたアズーリが、この難グループをどのように戦い抜くのか注目だ。

この記事に関連する写真を見る 最後に挙げるのが、こちらもタレント豊富なポルトガル。予選を10戦全勝36得点2失点と圧巻の成績で通過。その予選で10得点と相変わらずの得点力を見せつけたのがクリスティアーノ・ロナウド(アル・ナスル)だ。6大会目となる大エースもさすがに今大会が最後になるだろう。それは41歳のDFペペ(ポルト)も同様である。

 そんな重鎮ふたりを充実の経験豊富なベテラン、あるいは中堅選手たちが囲む。前線だけでもディオゴ・ジョタ(リバプール)、ベルナルド・シウバ(マンチェスター・シティ)、ジョアン・フェリックス(バルセロナ)、ラファエル・レオン(ミラン)など、各ポジションにトップ選手をずらりと揃える。

 中盤もブルーノ・フェルナンデス(マンチェスター・ユナイテッド)、ジョアン・パリーリャ(フラム)、ルベン・ネベス(アル・ヒラル)、ヴィティーニャ(パリ・サンジェルマン)とクオリティある実力者に加え、ジョアン・ネベス(ベンフィカ)と楽しみな若手もいる。これだけのタレント集団を知略家のロベルト・マルティネス監督が操るチームの破壊力は、予選でこれでもかと見せつけた。2016年大会以来、2度目の優勝を狙うに十分な戦力とタイミングだろう。

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