ベリンガム、フォーデン、ビルツ...今季欧州サッカーのベストイレブンを識者が選出 (2ページ目)

【得点能力が開花したフォーデン】

篠 幸彦(スポーツライター)

この記事に関連する写真を見るFW/アーリング・ハーランド(マンチェスター・シティ)、ヴィニシウス・ジュニオール(レアル・マドリード)、フィル・フォーデン(マンチェスター・シティ) 
MF/フロリアン・ビルツ(レバークーゼン)、グラニト・ジャカ(レバークーゼン)、トニ・クロース(レアル・マドリード)、ロドリ(マンチェスター・シティ) 
DF/アレッサンドロ・バストーニ(インテル)、フランチェスコ・アチェルビ(インテル)、ウィリアン・サリバ(アーセナル) 
GK/アンドリー・ルニン(レアル・マドリード)

 トップのハーランドと右ウイングのフォーデンは、マンチェスター・シティの前人未到のプレミアリーグ4連覇に大きく貢献したふたり。特に得点能力が開花したフォーデンはタイトルレース終盤戦でゴールを量産し、手がつけられなかった。ハーランドは、27得点で当たり前のように2年連続の得点王を受賞した。

 ラ・リーガを支配的な強さで制し、CLファイナリストとなったレアル・マドリードからヴィニシウス、クロースを選出。クロースは、今季限りで現役を引退するのが信じられないほど、衰え知らずのクオリティを誇る。ヴィニシウスとのコンビで決めた、CL準決勝バイエルン戦1stレグでの先制点は、あまりに見事だった。

 そんなレアル・マドリードの新たなアイコンとなったベリンガムも、トップ下で選ばれるべき選手ではある。しかしながらブンデスリーガ史上初の無敗優勝という偉業を成し遂げたレバークーゼンをリードしたビルツ、ジャカも選出に値するふたりだ。

 セリエAでは、5試合を残してスクデット獲得を果たした今季のインテルの強さは圧倒的だった。そのなかで新境地を開拓し、優勝へ導く活躍をしたハカン・チャルハノールは今季を象徴するアンカーのひとりではある。ただ、いまやマンチェスター・シティの出来、勝敗を左右するほどの影響力があるロドリのクオリティは、このポジションでナンバーワンだろう。

 DFは、インテルの強固な守備ラインの中心であるアチェルビ、バストーニを選出。革新的なシモーネ・インザーギ監督のインテルのなかで、アチェルビは対人で無類の強さを発揮し、バストーニは攻守に貢献度が高かった。

 最終節までもつれたマンチェスター・シティとのタイトルレースでわずかに及ばなかったものの、アーセナルのウィリアン・サリバはリーグ戦全試合フル出場。リーグ最少失点の要となり、間違いなく今季のプレミアリーグを代表するCBだった。

 GKにはアンドリー・ルニン。レアル・マドリードの絶対的な守護神であるティボー・クルトワの長期離脱という危機に、ケパ・アリサバラガとのポジション争いの末、その穴を埋めた。リーグ優勝はもちろん、CL決勝へ導く2本のPKストップは評価されるべきだ。

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