ベリンガム、フォーデン、ビルツ...今季欧州サッカーのベストイレブンを識者が選出 (3ページ目)

【ビルツ、ロドリ、ベリンガムの3人は確定的だった】

西部謙司(サッカーライター)

この記事に関連する写真を見るFW/アーリング・ハーランド(マンチェスター・シティ)、キリアン・エムバペ(パリ・サンジェルマン)、フィル・フォーデン(マンチェスター・シティ) 
MF/ジュード・ベリンガム(レアル・マドリード)、フロリアン・ビルツ(レバークーゼン)、ロドリ(マンチェスター・シティ) 
DF/ヨシュコ・グバルディオル(マンチェスター・シティ)、フィルジル・ファン・ダイク(リバプール)、ウィリアン・サリバ(アーセナル)、カイル・ウォーカー(マンチェスター・シティ) 
GK/ジョーダン・ピックフォード(エバートン)

 選ぶにあたって確定的だったのは、ベリンガム、ビルツ、ロドリの3人。いちばん迷ったのはGKだったが、セーブ率の高さからピックフォードとした。

 右SBはウォーカーかダニエル・カルバハル(レアル・マドリード)、あるいはアクラフ・ハキミ(パリ・サンジェルマン)もありかと思ったが、1対1の強さとカバーリング範囲の広さでウォーカーに。左は、同じくマンチェスター・シティのグバルディオル。SBという感じではないが、守備力の高さで印象的だった。

 SBは求められるプレーが変化しているポジションで、「偽SB」として組み立てを担う、あるいは「偽CB」を使う場合の3バックとしてCB的な能力も要求される。従来の上下動ではなくなり、ウイング対策として屈強な守備者が起用されるケースも多くなってきた。

 CBはサリバとファン・ダイクのコンビ。アントニオ・リュディガー(レアル・マドリード)、マヌエル・アカンジ(マンチェスター・シティ)、ガブリエウ・マガリャンイス(アーセナル)、ヨナタン・ター(レバークーゼン)も候補だった。

 空中戦、マークの強さ、シュートブロックといった従来の資質に加えて、スピードが絶対条件になっている。とくにボール支配力の強いチームのCBは、広い範囲をカバーできる速さと守備力が欠かせない能力となった。

 MFの3人はすんなりだったが、トニ・クロースを入れられなかったのは残念。今季で引退するが、レアル・マドリード、ドイツ代表で果たした役割は大きかった。ケビン・デ・ブライネ(マンチェスター・シティ)もすばらしかったが、欠場が多かったので選外。

 イルカイ・ギュンドアン(バルセロナ)、エドゥアルド・カマビンガ、フェデリコ・バルベルデ(以上レアル・マドリード)も印象的だった。古典的な10番として復活したイスコ(ベティス)も面白かったが、MFにはベースとして高いアスリート能力が求められている。

 FWは、右にプレミアリーグMVPのフォーデン。左はエムバペかヴィニシウス・ジュニオール(レアル・マドリード)で迷ったが、エムバペとした。ともに圧倒的なスピードでカウンターアタックの切り札だった。

 センターフォワード(CF)はハリー・ケイン(バイエルン)、ロベルト・レバンドフスキ(バルセロナ)、アルテム・ドフビクなど多士済々ながら、プレミアリーグ得点王のハーランドを選出。マンチェスター・シティがボールを支配して押し込む流れになると、ゴール前以外はほぼ消えてしまうのだが、そのリーチと高さを生かした得点力は、やはり異次元だった。

 今季の得点王は北欧系の長身CFが目立つ。ゴール前のパワー、高さだけでなく、むしろビルドアップで10人がマンマークされているので、トップに個の優位性があるタイプが求められているのだろう。

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プロフィール

  • 中山 淳

    中山 淳 (なかやま・あつし)

    1970年生まれ、山梨県出身。月刊「ワールドサッカーグラフィック」誌編集部勤務、同誌編集長を経て独立。スポーツ関連の出版物やデジタルコンテンツの企画制作を行なうほか、サッカーおよびスポーツメディアに執筆。サッカー中継の解説、サッカー関連番組にも出演する。近著『Jリーグを使ってみませんか? 地域に笑顔を増やす驚きの活動例』(ベースボール・マガジン社)

  • 篠 幸彦

    篠 幸彦 (しの・ゆきひこ)

    1984年、東京都生まれ。編集プロダクションを経て、実用系出版社に勤務。技術論や対談集、サッカービジネスといった多彩なスポーツ系の書籍編集を担当。2011年よりフリーランスとなり、サッカー専門誌、WEB媒体への寄稿や多数の単行本の構成を担当。著書には『長友佑都の折れないこころ』(ぱる出版)、『100問の"実戦ドリル"でサッカーiQが高まる』『高校サッカーは頭脳が9割』『弱小校のチカラを引き出す』(東邦出版)がある。

  • 西部謙司

    西部謙司 (にしべ・けんじ)

    1962年、東京生まれ。サッカー専門誌「ストライカー」の編集記者を経て2002年からフリーランスに。「戦術リストランテ」「Jリーグ新戦術レポート」などシリーズ化している著作のほか、「サッカー 止める蹴る解剖図鑑」(風間八宏著)などの構成も手掛ける。ジェフユナイテッド千葉を追った「犬の生活」、「Jリーグ戦術ラボ」のWEB連載を継続中。

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