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堂安律、EL16強進出を決める大逆転勝利に貢献 日本代表の時より弾けている (2ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki

【縦に抜けるプレーを披露】

 堂安所属のフライブルクは延長戦の末に3-2でランスを逆転。ベスト16入りを決めた。

 ランスで行なわれた初戦は0-0だった。5バックで引いて構えるランスを崩すにはサイド攻撃が有効だ。堂安のウイングプレーが勝負のカギを握る、と試合前にプレビュー記事を書いているが、通常オーソドックスな4バック(4-2-3-1)で構えることが多いフライブルクも、この初戦には5バックで臨んできた。

 5バック対5バック。初戦はまさに、"抜け"の悪い守り合いとなった。だが、右のウイングバックとして出場した堂安は、そうしたなかでも縦に抜けるウイングプレーを2度ほど披露。日本代表ではひたすら内に入り込む、籠もるようなプレーを見せる堂安だが、ランスとの初戦では低い位置でも弾ける感じのプレーができていた。第三者にとっては観戦が苦行になりそうな試合展開とは裏腹に、堂安に限っては意気込みを感じさせるポジティブな姿勢が見てとれた。

ヨーロッパリーグ16強進出に貢献した堂安律(フライブルク)photo by picture alliance/AFLOヨーロッパリーグ16強進出に貢献した堂安律(フライブルク)photo by picture alliance/AFLOこの記事に関連する写真を見る 迎えた折り返しの第2戦でも、5バック対5バックは変わらず。試合内容も同様に低調だったが、試合は前半から動いた。2点を先取したランスの勝利は堅いように見えた。

「2-0というスコアは相手に1点入った瞬間、危険になる。安全圏とは言えない」とは、テレビ解説者の常套句だ。しかし、実際そうなったことがどれほどあるか。視聴を継続してほしいためのこじつけかと、突っ込みたくなることしばしだが、このフライブルク対ランスの第2戦は、まさにその指摘にうなずかなければならない試合となった。

 ランスは目の前に勝利がちらついたのだろう。後半に入るとペースを乱した。試合は2点ビアインドのフライブルクに傾いていく。

 後半22分。そこに登場したのが堂安だった。フリーキッカーとしてゴール左サイドにボールをセット。鋭い左足キックを蹴り込むと、その2つ先のプレーでゴールが決まった。ローランド・シャーライ(ハンガリー代表)が蹴り込み、1点差とした。

 試合は後半の追加タイムに突入。時は92分だった。最終ラインからのロングフィードをマティアス・ギンター(ドイツ代表)、シャーライ、ミヒャエル・グレゴリッツ(オーストリア代表)とつないだボールが堂安の前にこぼれてきた。その左足シュートは相手DFを直撃したが、跳ね返りを再びシャーライが押し込み、フライブルクはまさに土壇場で同点に追いついたのだった。

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