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《独占》岡崎慎司、引退発表1カ月前の心境「仮に日本に帰るってなったら、清水エスパルス一択」

  • 了戒美子●取材・文 text by Ryokai Yoshiko

 2月26日、岡崎慎司が今シーズンかぎりでの現役引退を発表した。長きにわたり日本サッカーを盛り上げてきた功労者の決断は寂しくもあるが、今季残り時間では間違いなく死力を尽くしたプレーを見せてくれるだろう。その先に続くキャリアでもきっと我々を沸かせてくれるはずだ。

 この単独インタビューは1月下旬にオンラインで行なわれたものだ。恥ずかしながら筆者は、取材時にはまさかこのタイミングで引退するとは思っていなかった。自身の状態について、現役について、セカンドキャリアについてオープンに話してくれてはいるが、おそらくは引退決断の直前だったのだろう。

 筆者が見るに、岡崎は石橋を叩いて、叩いて、叩いて、気づいたらダッシュで駆け抜けている、というタイプだ。そんな岡崎が、ぐるぐると考えて、考えて、考えて、石橋を叩きまくっている様子が伝わればと思う。

岡崎慎司がついにユニフォームを脱ぐ決断を下した photo by AFLO岡崎慎司がついにユニフォームを脱ぐ決断を下した photo by AFLOこの記事に関連する写真を見る岡崎慎司インタビュー(前編)

 今季に入り、岡崎慎司がプレーしたという話はあまり聞こえてこなかった。ピッチで躍動する岡崎の姿はかつて脳裏に焼きついたものばかりで、最近のプレーが浮かんでこない。ベルギーのシント・トロイデンに所属する岡崎は今、どのような状況にあり、何を思っているのかから尋ねてみることにした。

   ※   ※   ※   ※   ※

── 岡崎選手は最近、どうしているのだろう......というのが、この取材の正直なスタート地点です。

「ちょうどSNSとかにあげないといけないなと思ったんですけど、ずっとひざをケガしているんです。最後に試合に出たのは去年の12月で(12月16日のモレンベーク戦で67分から出場)。去年の3月ぐらいに初めて痛くなって、その後も調子がよくなったり痛くなったりを繰り返してきたんですけど、その12月の出場を最後に痛みが今までで一番強くなってしまって」

── 思い当たる原因はあるのですか?

「一番は人工芝ですね。(シント・トロイデンに加入して)1年半ぐらい、練習もホームスタジアムも人工芝なので、それが一番響いたんです。僕、後十字じん帯(のケガ)もやっているんで、その蓄積もあるのかなと思います。たぶん普通の芝だったら問題はなかったと思うんすけど。僕のひざは今、軟骨も使い込んでいるっていう感じになっています」

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著者プロフィール

  • 了戒美子

    了戒美子 (りょうかい・よしこ)

    1975年生まれ、埼玉県出身。2001年サッカー取材を開始し、サッカーW杯は南アフリカ大会から、夏季五輪は北京大会から現地取材。現在はドイツを拠点に、日本人選手を中心に欧州サッカーを取材中。著書『内田篤人 悲痛と希望の3144日』(講談社)。

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