堂安律、EL16強進出を決める大逆転勝利に貢献 日本代表の時より弾けている (3ページ目)
【守田英正の立場が気になる】
逆転弾が生まれたのは延長前半9分。ゴールキックから3つ目のプレーでグレゴリッツが決め、決勝ゴールとした。堂安はフル出場し、最後まで勝利に貢献した。10段階の採点で7はつけられる出来映えだった。
もうひとりの日本人選手、スポルティング所属の守田は、ヤングボーイズとのホーム戦に出場しなかった。試合は1-1で引き分け。合計スコア4-2でスポルティングが楽々と通過を決めた一戦だったが、守田は最後までベンチ要員だった。3-1で勝利した初戦アウェーでも、守田はスタメンを外れていた。出場したのは後半15分。3日前の国内リーグの対モレイレンス戦ではでは89分間プレーしている。
この日の欠場はコンディションを考慮したものなのか。しかし通常、守田の傍らで構えるモルテン・ヒュルマンド(デンマーク代表)は、ほぼ出ずっぱりだ。このプレーオフではそのヒュルマンドの相手役に、守田ではなく、ダニエル・ブラガンサ(元U-21ポルトガル代表)が選ばれた。
モレイレンセは国内リーグで現在6位。それとヤングボーイズ戦を天秤にかけたとき、重要なのは後者だと考えるのが自然だ。また、スポルティングの次戦の相手、リオ・アヴェは国内リーグ16位だ。
守田の欠場は、国内リーグでベンフィカと激しい首位争いを演じているスポルティングの現在の立場を考慮した結果と言えばそれまでだが、選手としてのステイタス、商品としての価値は、欧州戦線で活躍してなんぼ、である。アジアカップを境に微妙な立場に置かれている守田の様子が少し心配である。
フライブルク、ミラン、ベンフィカ、スポルティング、マルセイユ、スパルタ・プラハ、ローマ、カラバフ。プレーオフを勝ち抜いた8チームのなかで、最も期待が持てそうなチームはミランだろう。リバプール、今季絶好調のレバークーゼン、さらには三笘のブライトンとともに上位進出が有力視される。決勝トーナメント1回戦の抽選結果に目を凝らしたい。
「UEFAチャンピオンズリーグ」ベスト16がスタート
久保建英擁するR・ソシエダはPSGと対戦
「UEFAヨーロッパリーグ」では三笘薫、遠藤航らが出場
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著者プロフィール
杉山茂樹 (すぎやましげき)
スポーツライター。静岡県出身。得意分野はサッカーでW杯取材は2022年カタール大会で11回連続。五輪も夏冬併せ9度取材。著書に『ドーハ以後』(文藝春秋)、『4-2-3-1』『バルサ対マンU』(光文社)、『3-4-3』(集英社)、『日本サッカー偏差値52』(じっぴコンパクト新書)、『「負け」に向き合う勇気』(星海社新書)、『監督図鑑』(廣済堂出版)、『36.4%のゴールはサイドから生まれる』(実業之日本社)など多数。
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