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リバプール&遠藤航はどうなる? カリスマ監督クロップ突然の退任発表で激変か (2ページ目)

  • 中山淳●文 text by Nakayama Atsushi

【チームに変化が訪れるのは確実】

 特にクロップは、ドルトムント時代に発明した"ゲーゲンプレス"のように、常に強豪チームを打ち破るための新しい戦術の開発を続けてきたラディカルな姿勢をモットーとする監督だ。その人物が最先端を走り続けるためには、心身ともに相当なエネルギーを消耗してきたに違いない。

 エネルギーを放出するためには充電が必要だ。リバプールを率いて9年目を迎えたクロップは、自身のエネルギーが底をつき始めていると感じ、一定の充電期間を欲しているのだろう。56歳という年齢を考えれば、ペップの言うように、きっとしばらくすればエネルギーの充填を終え、またサッカー界に帰ってくるはずだ。

 気になるのは、リバプールの今後だ。クロップが2015年10月に前任者ブレンダン・ロジャースの後を継いで以降、クラブは完全にカリスマ監督の色に染まった。選手はもちろん、サポーターからも絶大な信頼を寄せられ、愛され続けてきた。

 その間、2018-19シーズンにチャンピオンズリーグ優勝を遂げ、2019-20シーズンにはプレミアリーグとなってから初優勝の快挙。名門クラブにとって、国内リーグのタイトル獲得は1989-90シーズン以来、実に30年ぶりのことだった。

 それだけに、その指導スタイルも含めたあらゆる面でリバプールとの相性が抜群だったクロップが去るとなれば、もはやなだらかな変化は望みにくい。

 27年も続いたサー・アレックス・ファーガソン体制後のマンチェスター・ユナイテッド、あるいは22年の長期政権となったアーセン・ベンゲル監督が退任した後のアーセナルとまではいかないまでも、リバプールにも大きな変化の時代がやってくることは確実だろう。

「正直、わからない。監督、コーチングスタッフが替われば、変化することがたくさんある。ただ、まだその件については多くを話せない」

 リバプールでクロップと7年をともにするキャプテンのフィルジル・ファン・ダイクは、来シーズン以降の自身の身の振り方を問われて、そのように答えた。後日、本人はそのコメントが誤解を生むような報道のされ方をしたことに抗議したが、クロップの退任がクラブと選手の未来を変える重要なファクターになる可能性が高いことは、十分に理解しているはずだ。

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