【ワールドカップ】サッカー日本代表につける「薬」が見えてくる フランス、スペインの強みとは?
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連載第99回
杉山茂樹の「看過できない」
フランス、モロッコ、ノルウェー、イングランド、スペイン、ベルギー、アルゼンチン、スイスと、ベスト8が出そろったワールドカップ。内訳は欧州6、南米1、アフリカ1。16強は欧州7、南米4、北中米3、アフリカ2だった。鮮明になるのは欧州の優位性だ。一方、アジアは9カ国が出場しながら、グループリーグを突破したのは日本とオーストラリアのわずか2チーム。世界から低レベルを揶揄されても致し方のない状況だ。
勝てない原因をあえてひと言で言うなら強度不足だ。技術的な問題もさることながら、局所での競り合いの弱さが目についた。出るところに出ると貧弱に見える。そうしたアジア勢ならではの弱みを、日本は俊敏さと生真面目さで補おうとした。実際、オランダ、スウェーデン、ブラジルに対して一定の効果を発揮した。中村敬斗、堂安律、前田大然、伊東純也、佐野海舟らに代表される、巧緻性あふれるすばしっこい動きに、大柄な相手が幻惑されたことが接戦になった要因だと見る。
優勝候補の筆頭と見られているフランス代表 photo by JMPA しかし、日本の戦いだけを眺めていても、日本につける薬は見えてこない。4年に1度、世界各国がしのぎを削るワールドカップである。ヒントは実際、佳境を迎えた大会の各所から見て取れる。
そこで、あらためて浮き彫りになるのが、ブラジル戦で鮮明になった日本の守備的なサッカーだ。強者に対し、あんな弱腰なサッカーをしているチームは、どこにも見当たらない。5バックで守りを固め、ロープ際まで下がりクリンチで逃げようとする、延長PK戦狙いのサッカーである。
事実、5バックで戦うチームは8強のなかに1チームもない。16強まで範囲を広げても、フランスと対戦したパラグアイのみだ。そのパラグアイにしても、相手によって4バックと5バック(3バック)を使い分けている。ほぼ5バック一辺倒で戦った日本のようなチームは見当たらない。
他のチームはなぜ5バックで戦わないのか。この点だけでも日本の特異性は浮かび上がる。日本のサッカー関係者はもっと世界のサッカー史を学習すべしと言いたくなる。
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著者プロフィール
杉山茂樹 (すぎやましげき)
スポーツライター。静岡県出身。得意分野はサッカーでW杯取材は2022年カタール大会で11回連続。五輪も夏冬併せ9度取材。著書に『ドーハ以後』(文藝春秋)、『4-2-3-1』『バルサ対マンU』(光文社)、『3-4-3』(集英社)、『日本サッカー偏差値52』(じっぴコンパクト新書)、『「負け」に向き合う勇気』(星海社新書)、『監督図鑑』(廣済堂出版)、『36.4%のゴールはサイドから生まれる』(実業之日本社)など多数。


